36 小太郎山 2725m
2010年7月27日(火)
前夜2000新宿・・・2130甲府(泊)400=610広河原622ー821大樺沢二俣−955小太郎尾根ー1108小太郎山1115−1230小太郎尾根1245−1342大樺沢二俣1352−1533広河原1610=1805甲府・・・・八王子
仕事が大変な状況だが、旅心抑えがたく、新宿発20時の特急で旅に出る。今回のターゲットは南アルプス主脈の最北端にある山、小太郎山である。通好みの山で、最後の1時間半は熟達者向けの破線コースになっているが、登山記のサイトを見ると、北岳に登ったついでに立ち寄る人も結構いるようなので実施を判断した。甲府発4時の一番バスに乗るために、甲府に前泊という仕儀となった。駅前の東横インに投宿。
朝3時半に起きて、眠い目をこすりながら駅へ向かい、4時発の一番バスに乗る。目が覚めたら夜叉神峠の手前だった。夜叉神峠で少し停車してから、トンネルを抜けて野呂川の谷に入り込む。目の前に北岳の威容が望める。カーブが続く道をバスはうなりを上げながら走り、6時過ぎに広河原のアルペンプラザに到着。
登山靴に履き替え、出発。野呂川を吊橋でわたって、広河原山荘の横から登山道が始まる。15分ほど登ってゆくと、白根御池と大樺沢への分岐。3度目で勝手が分かっている大樺沢コースを取る。沢の水が大樺沢に流れ込むここちよい登り道だ。大樺沢を橋で渡って、対岸の迂回路を行き、もう一度沢を渡り返すと雪渓の末端が見え、ついでトイレの発電機の音が聞こえ出し、大樺沢二俣に到着。南アルプスの雪解け水で顔を洗う。
今回初めて右俣コースに足を踏み入れる。北岳の登山道としては、八本歯のコルを経由するコースよりこちらのほうがポピュラーなようで、ジグザグ状のやや峻険な登りではあるものの、危ないところもなく、比較的歩きやすい道だ。一時間近くそうやって高度を上げてゆくと、ややなだらかな道となり、休憩に適した小広いところもある。そこからもう少し登りを耐えると、白根御池からの草すべりルートをあわせる。そこから10分も登ると、小太郎尾根の稜線に出た。
ここからが正念場の破線コースだ。北に聳える小太郎山へ歩いてゆく。まずは急峻な下り。神経を使う箇所もあった。普通の登山道のレベルで考えると、少し厳しいところかと思う。そのあと道は歩きよい稜線となった。展望が抜群に良い。鳳凰、甲斐駒、仙丈・・・・・南アルプス北部の巨人たちに囲まれた歩きはこれぞアルペンという感じがして、実に気持ちよい。もっとも道はか細いが。振り返ると北岳の姿が勇壮だ。稜線歩きを終えると、道が少し下りとなって樹林帯に入り、少し高度を下げると最低鞍部を越える。そのあとやや道が登り気味となって、再び森林限界を超えてなお北へ北へ稜線をたどってゆく。ほどなく眼前のこんもりとした丘に取り付き、それを登りきったところが小太郎山の頂上であった。
展望を楽しみながら水を飲む。心に焼きついたのは北岳の圧倒的な存在感。このアングルから見る北岳はどっしりとしている。間の岳方面から見る北岳も三角形の形のよさで味があるが。私はこちらの方が重さが感じられて好きだ。休憩の後引き返す。既に5時間歩いているのでやや疲れ気味である。最低鞍部からの登り返しは実にしんどく、小太郎尾根に合流する前の最後の急峻な登りは苦しく感じた。青息吐息で小太郎尾根にもどりついた。
無理をすれば北岳往復も可能な時刻だが、疲れているので、ここで腰を下ろして休憩。私は久しぶりの南アルプスの空気を思う存分吸った。そのあと大樺沢二俣へ引き返した。やや急な下り道を一時間ほどしのいで、二俣に戻りついた。沢水で顔や腕を冷やす。ここから広河原までは長いので、スピードを落として適当に歩いた。枝沢の細い流れをやり過ごし、白根御池分岐を過ぎれば広河原は近い。ゆっくり下って、広河原山荘にもどりついた。コインシャワーを浴びてさっぱりとした後、広河原山荘の食堂で生ビールを飲む。山から下りた直後の生ビールは実にうまい。
ほろ酔い気分で野呂川の橋を渡り、広河原のアルペンプラザに戻りついた。16時10分の甲府行バスで退散。甲府までは2時間もかかる。野呂川ぞいの険路をバスは走る。南アルプス北部で唯一残っていた難物を登って、私は充実感に浸っていた。