2003年12月20日(土) 費用発生9,700円 所要時間7時間13分
106小田原・・・422豊橋630・・・730本長篠811=滝上835−930四谷935−仏坂トンネル950−仏坂峠1005−宇連山分岐1150−1320棚山高原1325−1518鳳来寺山−1540東照宮−1648三河大野1716・・・1840豊橋・・・030多摩センター
岩古谷山から帰ってきた週の土曜日、青春18切符を利用して再度前進すべく、冬型の気圧配置が強まり大荒れの天気が予想されますと天気予報が報じ、ネットのピンポイント予測でも設楽や稲武では雪がちょこっと降るらしい。でもまあちらつく程度だろうと考え、いつものように金曜の夜仕事がはねて家に帰り、スーパーで買った中華弁当をかきこみ、そのあとすぐザックを取りだし旅に出た。もっとも、小田急は忘年会帰りの客でラッシュ時並みに混んでいて秦野まで座れなかったし、いつものムーンライトながらも座れなかった。例によって客室すみに体をもぐりこませる。
寒さが尻から浸透し、快適とは云えなかったが、静岡に気がつかなかったのだからちょっとはまどろむ事が出来たのかもしれない。四時半少し前、豊橋着。向かい側のホームには臨時の「ながら91号」が停まっている。ホームに降りてみると激烈に寒い。きょうは飯田線の電車まで間があるので豊橋駅近くのデニーズで夜明かしをすることにして、新幹線口からの通りを歩いて行くと、雪が舞い始めた。気を揉みつつ明け方のデニーズでチキンソテーセットと赤ワインの食事。
雪は1時間の間それなりに降っていたので2−3センチ積雪がみられた。豊橋駅に戻って6時30分発の本長篠行きに乗る。寝過ごす心配がないので車内でうとうとするうちに電車は山間に入り、ほどなく終点の本長篠着。雪は路面に積もるほどではないが、山々は銀嶺と化している。岩のつらなる鳳来寺山の雪は嫌らしいのだが。待合室で缶コーヒーを飲んでバスを待ち、土曜日なのでガラガラの田口経由下津具行きのバスで滝上をめざす。鳳来寺山のふもとを通り、海老の集落をすぎ、ほどなく滝上に到着。
ここから車道を一時間ばかり歩く。幹線道路を進み、四谷の千枚田に着く。雪化粧した棚田も風情があって良い。奥に聳える鞍掛山もひときわ荘厳で、まるで上高地から穂高連峰をながめるがごとしである。雪の千枚田を撮影するカメラマンが二人いた。雪の中の道を上がって行って、こんどはカーブを繰り返す車道を登って行って、前回打ちきった鞍掛山への分岐についた。おにぎりの朝食後、九時半過ぎに歩みを再開した。そこから先は雪の残る車道を十五分ほど登り気味に進むと、短いトンネルを抜けて廃屋と化した休憩所の横から登山道に入る。
仏坂峠までは木の階段や桟道もある急斜面で、雪がべったりついていたので難儀した。寒い寒いと思いながら、十五分ばかり急峻な斜面を耐えて仏坂峠。ここから宇連山までは尾根上のアップダウンで苦労したところだが、雪が多くて前回来た時の面影はない。ある程度ルートファインディングしながら尾根道らしき道を上がって行くが、新雪の上のステップは難しく、バランスを崩して雪上に手をついてしまうこともしばしばで、掌が冷たくなる。仕方がないので髪の間に濡れた手をつっこんで水気をはじく。稜線は右に左にカーブし、所によっては風が吹きつけ、そのたびに木々に積もった雪がバサーと当方にブリザードのように向かってくる。撤退を真剣に考えたが、天候自体は晴れ間が出ており良好なのと、ここで頓挫すると翌年4月まで東海は何もできんぞという頭がはたらき、とりあえず宇連山までは行こうと考えた。
ときおり見える周りの山々もすべて雪があり、見ごたえがあるのだが前進するので手一杯であった。海老峠手前のベンチをすぎてからも強風混じりのアップダウンは続き、一度だけ前のめりに転んで雪上にダイブしてしまった。もう助けてくれと思うが、生きて帰るには宇連山を越えるしかない。やがて道が登りがちになり、ようやく宇連山の分岐にたどりついた。自然歩道は右に折れてトラバースするように進んで行く。アップダウンはしのいだが、このあたりが標高が高いせいか雪がいちばん深く30センチほど積もっており、ラッセルを強いられた。なんでもない道なのだがかきわける雪が重く、かなりスタミナをロスした。
雪の積もった林道に出て、からみながら進み、また山道に入って大島の滝を上から見下ろす。そのあと林道とつかずはなれずといった道になり、棚山高原まであと1km強になってになって当方もいいかげんくたびれたのでパンの昼食。行動開始から4時間少々だがかなり疲労している。ブランデーの水割りを飲んだあと、ヤレヤレと立ち上がり林道を進み、棚山高原の別荘地跡に出た。川売へのエスケープルートに心が揺らいだが、あと登りは鳳来寺山の1時間程度だけなので、男だったらそのくらいは耐えられるなといいきかせ、棚山高原から玖老勢峠への急峻な下りにかかる。
雪の残る岩混じり、鉄階段混じりの急斜面をこらえて、ときには手をうまく使っておっかなびっくり下って、眼前の鳳来寺山らしき山がどんどん高くなって、40分くらいで玖老勢峠。ここからは鳳来寺山への登りなのでエスカップを飲んでおく。MDウォークマンを耳に当て、マイケル・フォーチュナティなど聞きながら岩混じりの急登りをしのぐ、音楽を聞きながらのぼるのは急ぎ過ぎを押さえるのと神経をリラックスさせるためである。何箇所かステップに迷う所があったが、滑りづらいと思われる所、または滑っても致命的にならないところを選んで足を置いて行く。
午後になって雪が一部解けたりアイスバーン化しているところもあったので難儀したが、犬戻しの急登りと桟道を無事クリアし、もうひとのぼりして黒岩、そこから稜線上の鉄階段アップダウンをしのいで瑠璃岩を越えて、15時18分、ようやく鳳来寺山にたどりついた。よくここまで来れたものだと思う。鳳来寺山までは今日来た人がいたらしく、雪上にトレイルがあった。しずしずと下り、奥の院を過ぎて、巨岩の下を過ぎたりして、長い鉄階段の連発を手すりにつかまりながらしのいで、鳳来寺の境内に出た。疲れているが、日没近いので休まず下ることにする。
東照宮の前を過ぎて、駐車場への道を分けて行者越えまでの最後の登り返しをこらえる。そのあとの下りをすべらないように歩いて、鳳来寺山パークウエイの上を2回またぐ。そのあと少し下ると湯谷峠。ここから大野までは単調な下りである。高度400を切ると雪も消えた。そこから先はいままでスピードを出せなかったうっぷんを晴らすかのようにガツガツ歩いて、ダートの林道になって、ほどなく茶畑が見えてきて、飯田線の引地踏切に出た。ここから三河大野の駅まではすぐである。ふらめきながら駅に着いたのは16時48分であった。
今回は持てる力の9割以上を出した感のある山行きだった。やっとの思いで靴紐を解きにかかる。17時16分発の豊橋行き電車のなかで眠りこけ、豊橋駅できしめんをかきこんだあと、普通列車をのりつぎながら小田原へ向かった。終わりが遅かったので、自宅へ帰着したのは午前1時前であった。
、