山紹介及びもっとも楽な登り方
上越国境の雄峰のひとつ、巻機山、標高こそ2000mを切っているが、山は大きく聳え、沢あり、頂上には湿原ありと、多様性とスケールの大きさを兼ね備えた山。頂上からの展望は上信越の山々が見渡せるので圧巻。とはいえ、清水集落からの標高差があるので急な登りを重ねる事になり、その点では平が岳よりしんどい面もある。もっとも楽な登り方は清水から井戸尾根のピストン。難易度3。
登山記録:2004年10月18日(月) 実働時間:8時間48分 会津駒ヶ岳から継続
17日:2035大宮・・・2142長岡
18日:543長岡・・・636六日町650=718清水−747桜坂805−909五合目−948六合目−1114巻機山避難小屋1125−巻機山1146−巻機本峰1200−1214巻機山−1233避難小屋−1341六合目−1409五合目1414−1500桜坂−1520清水−1609沢口1630=1655六日町1728・・・1750越後湯沢1808・・・1922上野
春日部で東武快速を降り、東武野田線で大宮へ向かう。大宮駅構内のコンビニで食料を買い足したあと、大宮発20時35分発の新幹線で長岡へ向かう。会津の南から南越後までの移動にいったん大宮まで戻るのがいちばん早いのだから驚きである。といっても大宮から長岡まで1時間7分なのだから恐れ入る。車内で弁当を食べ、スポーツ新聞をひととおり読むともう長岡であった。きょうの宿泊は駅近くのビジネスホテルである。夜の街へうまいものを食いに出かけたいが、疲れているしあしたも激闘が予想されるので風呂に入ってさっさと寝る。
翌日5時半にホテルを出て、5時43分の越後中里行き列車に乗る。きのうの夕方以降、コンサルタントか売れっ子歌手のような移動スケジュールだなと思う。昨日同様バスの時間を最優先にして構築すると珍妙な旅程ができてしまうのである。車内で一眠りして、浦佐からはいよいよだと考えて居住まいを正しながら待つ。朝靄の中を列車は走って6時36分、六日町着。十月中旬なのに六日町駅前はコートが欲しいくらい寒かった。とりあえず缶コーヒーを買って暖をとる。バスの中でもまどろんで過ごし、7時15分過ぎに清水に着いた。ウォーミングアップ代わりに登山口の桜坂駐車場まで歩く。
カーブの多い道を進み、缶コーヒーを飲み終わる頃、桜坂駐車場に到着。ここでおにぎりの朝食をすませ、巻機山への尾根登山コースを取る。高度計のスイッチを入れたら650と表示が出て、稼がねばならぬ高度に暗然とする。一時間ほど樹林帯のなかの道を高度をあげてゆき、ジグザグ状に登った所が五合目であった。米子沢方面の展望が良く、幾筋もの滝が落ちているのが良く見える。標高980m、まだまだ先は長いので、MDウォークマンを耳に当てて、坂本真綾を聞きながら進む。
ゆるやかな登り気味の道を進んで、40分ほどで標高1200mの六合目に到着。ここからは巻機山の上部が良く見える。このあたり、昨日同様紅葉がじつに良い色付き具合である。なおも登って行くと樹林帯が尽きて、ガレ場を登ったところが七合目。ここから低木帯の急峻な斜面をあえぎながら登ってゆく。右に左に折れながら高度を稼いでゆくも、頭上のニセ巻機が大きく立ちはだかっている。急な坂道をのぼると八合目に到着し、そこからは丹沢大倉尾根のような段差整地された斜面を木の階段でひたすら登る道となった。ここまできたら気合いで登る。尾根上なのでつめたい風が吹いてくる。
登りきった所がニセ巻機。東側は米子沢を挟んで上越国境の尾根が続いている。そして北側は巻機山頂上部のなだらかな草原状の稜線が続いている。沢は稜線直下まで続き、そのスケールのおおらかさは北アルプスの奥黒部あたりを想起させる。ニセ巻機から古い木道を雪で滑らぬよう慎重に5分ほど下ったところが巻機山の避難小屋。改築中らしく資材があちこちに積んである。角材の上に腰掛け白あんぱんとハンバーガーとソーセージマフィンの行動食。そのあとザックを置いて空身で頂上をめざす。
木道を進んで、ひとしきり急な登りをしのぐと頂上部の稜線に出て、そこに「巻機山頂」の標識があった。西側の割引岳がスッキリとした山容で迫っている。私は稜線を牛が岳の方へ少し歩き、昭文社地図の表記に従い、県境稜線と分岐する地点を最高所の「巻機本峰」と自己認定して引き返すことにした。こんもりとした丘をひとつ上がって稜線を進むと県境稜線を合わせて、巻機本峰に到着した。ここからの眺めは圧巻。東側は八海山、丹後山、魚沼駒ヶ岳などが大きく聳え、南から来た県境稜線は東の平が岳方向へどこまでも続き、その彼方には越後の山々がどこまでもつらなり、この山域の奥深さを存分に見せてくれた。どれが平が岳か、至仏山か良く分からなかったが、私はこの大展望に満足して引き返した。
巻機山頂へ戻り、左へ折れてひとしきり下って避難小屋到着。ザックを回収して、ニセ巻機への登り返しをこらえて木の階段を一目散に下って八合目、ここから急な斜面をガツガツ下る。行動開始から5時間以上経過したので足が思うように進まない。ようやく七合目のガレ場に降り立ち、そこからは樹林帯の下り。岩が道の随所にごろついていて下りづらい。六合目の展望台で割引岳方面を瞥見した後、なお下りは続く。ひとしきり下るごとに高度計に目をやるが、ながなか高度が削れない。フラフラになりながら14時過ぎに五合目まで戻ってきた。最後の踏ん張りで急なジグザグ下りをしのいで、一心不乱に下りを続ける。足を動かすたびにモモが痛くなってきたが、我慢して下る。
15時ジャスト、桜坂駐車場に帰着。あとはアスファルト道を歩けばいいのでMDウォークマンを耳に当て、KOTOKOさんを聴きながら惰力をきかせて林道を下り、20分ほどで清水に戻りついた。六日町行きのバスは18時40分までないので、強引に45分ほど国道を歩いて、バスの本数が増える沢口へ向かった。沢口発16時30分バスで六日町へ出て、上越線・新幹線をのりついで上野へ向かった。