YAMAMIX  SPECIAL 2004 〜 All My Might 2 〜

66 霧島山 1700m

2004年4月5日(月) 行動時間 2時間50分 費用発生75,900円(開聞岳分含む)

1937八王子・・・2022新横浜2049・・・・2356岡山025・・・601小倉606・・・841新八代844・・・918鹿児島中央1009=1146えびの高原1153−1230四合目−1308韓国岳1333−1443えびの高原1529=1548霧島いわさきホテル1600=1725鹿児島中央1740・・・1836指宿(泊)

昨年の11月、九州に行って、遠いところの魅力というものを知ってしまった。そこで、春になり九州新幹線が開業するのを待って、九州本土の残り2座を一泊二日で片付けるプランを立てた。目指すは開聞岳と霧島山で、両方とも百名山の山にしてはあっさりとピークに立てる、わざわざ登りに行くのもなぁ、と思ってしまう山である。これらの山は鹿児島の北と南にあり、一泊二日で片付けるのは一見容易そうだが、飛行機を使わないとなると電車やバスの接続をうまくとらないといけないので、時刻表とかなり格闘した。

日曜日の夜七時半、シュールな日常を一時的に打っちゃらかしておいて、私は旅に出る。ワタシは世渡りがヘタ。ワタシは交渉事がヘタ。ワタシは問題解決がヘタ。ワタシは上司とのコミュニケーションがヘタ。ヘタヘタヘタレなワタシだけど、この道楽は手放せない。ハッキョー寸前に追いこまれて、夜ブランデーをあおらないと眠れなくなっても、山には登るのだ。体に積もったダークフォースを追い出し、労働がなんだ!社会がなんだ!自然はいいなー、ということで今日も旅立つ。さすがに九州だと背筋を駆けるゾクゾク感が違う。

横浜線で新横浜へ向かい、売店で駅弁を買って20時49分発の「のぞみ77号」に乗る。新幹線は闇の中をひた走り、駅弁を食べたり本を読んだりしているうちに名古屋に停車。濃尾平野を抜けて、関ヶ原を駆けて近江の国に入り、トンネルをいくつか抜けると京都。そして新大阪。ここまでくると車内はガラガラになる。山陽新幹線に入り列車は六甲の山をトンネルで抜け、姫路に停車。ほどなく定刻23時56分、岡山に到着。

駅前のうどん屋でかけうどん(300円)をかき込んだ後、0時25分発の夜行快速「ムーンライト九州」に乗る。青春18きっぷで乗れるお得な列車だが、日曜の夜という事もあり七割くらいの乗車率であった。EF65型電気機関車に牽引された年季の入った6両編成の客車列車で、発車時のガックンという衝撃も客車列車ならではである。それなりに眠れて、5時34分下関着。EF65型からEF81型への機関車付け替えを見た後、売店で朝刊と駅弁を買う。

関門トンネルを抜けて、門司に停車。次の停車駅は小倉で定刻6時1分着。ここで特急「リレーつばめ1号」に乗りかえる。ガラガラの車内で弁当を食べると眠くなった。博多でどっと客が乗りこみ満席になる。私は眠りに落ち、気がついたら熊本を過ぎていた。宇土を通過。右に三角線が分岐する。熊本で降りたのか、車内は空いた状態に戻っていた。

8時41分、新八代着。ホームの向かい側には3月に開業したばかりの九州新幹線「つばめ1号」が停車していた。JR九州の車両はセンスが良いが。この九州新幹線もシートに木の枠を使ったりしていてデザインも良く、普通車なのに2列+2列のシート構成なので、ゆったりしている。もっとも自由席はかなり空いていて半分くらいの乗車率であった。この「つばめ1号」は途中駅に止まらないので鹿児島中央まではすぐで、34分後の9時18分、鹿児島中央着。昨日の夜から14時間乗りつづけてやっと鹿児島。日本は広いなと感じた。

10時9分のえびの高原行きの特急バス「ゆけむり号」に乗る。バスは鹿児島インターから高速に入り、鹿児島空港インターから一般道に入り霧島の裾野を登って行く。いわさきホテルの手前には噴気がでているところもあった。曲がりくねった道を上がっていき、11時46分、えびの高原に到着。

霧島山の最高峰、韓国岳は1時間20分程度で登れるので夜行明けでも楽勝と思われるが、明日もあるのでゆっくり目のペースで進む。しばらく遊歩道を進み、硫黄山のわきから登山道に入る。丸太階段で整備されているが、火山性の山質のためか、オーバーユースのためか、あちこち崩れていて少し歩きづらい。ガレ気味の道を進み、四合目の展望台に到着。えびの高原方面が良く見える。そこから眼前のこんもりとした山にとりつく。それなりにしんどい道をフウフウいいつつ登ってゆくと、火口ふちの稜線に出て、尾根伝いに高度をあげてゆくと大浪池からの道を合わせ、最後に岩クズのゴロゴロした道を上がって韓国岳頂上に到着。

1時間15分で着いてしまったので多少物足りない感じがした。だがきょうは快晴なので展望はすこぶるよく、東側は新燃岳や噴煙をあげる御鉢、そしてその奥にスックと立つは高千穂峰。南側は大浪池が大きい。遠くには錦江湾や桜島も見える。北側は火口が大きく口をあけており、頂上の数メートル横から絶壁となっており、スリルを覚える。頂上で25分ほど展望を楽しんだ後、下山は往路を戻る。ガラガラの道で怪我をしてもつまらないので、ゆっくりと考え事をしながら適当に歩いた。本気を出さなかったので登りと同じくらいの時間をかけてえびの高原にもどりついた。荒々しい韓国岳を望みつつプリッツをほおばる。

15時29分発の周遊バスでもどりにかかる。霧島いわさきホテルで鹿児島中央行きのバスに乗換え、眠ったり高速道路から桜島を見たりして、17時25分、鹿児島中央に戻った。きょうの宿泊は指宿駅前のビジネスホテルを押さえてある。17時40分発の「快速なのはな」で南へ向かう。鹿児島市内をディーゼルカーは走った後、錦江湾沿いに出る。ここから見る桜島もまたよい。喜入の石油備蓄基地をチラと見て、あんがい猛スピードで走る快速に揺られて夕暮れが近づき、18時36分、指宿着。

ビジネスホテルに荷物を置き、近くの「松元温泉」に漬かる。他に客はおらず、広い浴槽に足を伸ばして漬かる。そのあと夕食ということで店を物色する。予備知識なしにうまそうな店を探すのは楽しいが、難しい。一軒の店に入ったが、どちらかというと居酒屋だったので失敗であった。ビールを飲みとうな丼を食べて退散したあと、別の店でキビナゴとカツオの刺身を食べた。豪遊である。

67 開聞岳 924m

2004年4月6日(火) 行動時間3時間27分 

610指宿・・・635開聞−653ニ合目登山口−838開聞岳843−947二合目登山口−1003開聞1005=1039山川1044・・・1203鹿児島中央1216・・・1303新八代1306・・・1452博多1522・・・2010新横浜2019・・・2055橋本2109・・・2119多摩センター

きょうのターゲットは開聞岳であるが、標高は924m、相手にとってまことに不足であると考えていた。こんな山が100名山に入っているのは、海中にのりだした構造とその秀麗な富士山型の姿が要因と思われるのだが、先日登った東海自然歩道の思親山や長者が岳程度の登りだろうと考えていた。もっとも頂上と出発点との高度の「引き算」ではきのう登った霧島より厳しいのであるが。

6時10分発の枕崎行きディーゼルカーに乗る。一両の車内は高校生と数人の客がまばら。海沿いを走り、山川に停車。トンネルを抜けて丘陵地帯を走り、大山で眼前に開聞岳が姿を見せた。日本最南端の駅、西大山を過ぎて、開聞岳がだんだん近くなり、6時35分、開聞に到着。私を含む数人の登山者が降りた。右に進み、役場の交叉点を右折し、線路を横切り開聞中学の横を通りだんだん坂道になってくる。ほどなく山麓ふれあい公園に入り、グラススキー場を左に見ながら半分散った桜並木を進み、ほどなく二合目の登山口に到着。暑くなってきたのでジャンパーを脱ぐ。

うっそうとした樹林帯の中のゆるやかな登り道をゆく。駅からあるいたのでMDウォークマンはつけっぱなしである。KOTOKOさんを聴きながら、淡々と高度をあげていった。2.5合目で林道と交叉し、なお進んで行くとすこしずつ登りがきつくなってくる。ところどころ木組みの階段があったり、木の根につかまったりしてしのぐところがあって油断がならない。歌に聞き惚れながら、MD1枚聴きおわる頃に5合目に到着。木漏れ日がまぶしい。ときおり木々の間から海が見える。

七合目を過ぎ、廃道に近い川尻道分岐のあたりから道がけわしくなった。岩混じりの歩きづらい道で、露岩の上をうまく渡ってゆかねばならないので緊張した。MDウォークマンを切って、真剣モードで歩く。眼下の海岸に打ち寄せる波。やはりこの山、他にはない独特のものを持っている。右に曲がるあたりに「第1救助ポイント」の表示。甘く見た人が事故でも起こすのだろうか。岩のゴロゴロした道を歩き、仙人洞を過ぎてなお高度をあげ、九合目を過ぎる。左手に見えるのは薩摩半島、そして東シナ海。南の果ての海を見ながら登るのである。

九合目の少し先に一枚岩の急峻な斜面があり、木のハシゴとロープが二本ある。それを頼りにしのいで、なお右へ回りこむように登って行くと、岩の露出した斜面を登り、頂上にたどりついた。南側は木々が茂って見えなかったが、北側の開聞の街並みや池田湖が見える。遠望は霞がかっており、錦江湾まで見えたが桜島は見えなかった。頂上で5分休憩し、さっさと下りにかかる。九合目までは木のハシゴや急斜面があり慎重に歩いて、そこからはちょっと本気を出してドスドスと下った。

面白いように高度を下げて、七合目手前の岩歩きを乗りきり、木の階段を下り、30分ほどで七合目に戻る。ここからは適当に下れるが、火山性なので足元が滑りやすいところもあり、1回だけ勢いあまって尻もちをついてしまった。5合目、4合目とあっという間に過ぎて、2.5合の林道とクロスし、頂上から1時間ちょっとで登山口まで戻ってきた。あとはゆるい車道の下りをこなせばよかった。淡々と歩いて、10時すぎに開聞駅に戻りついた。

鹿児島方面の列車は13時51分までないので、山川行きのバスに乗る。開聞山麓をバスは走り行く。薩摩半島の南端、南国っぽいなかなかのどかなところである。長崎鼻から望む開聞岳は素晴らしかった。東シナ海に突き出て、半分浮かぶように聳えている、ため息の出るような構図である。山川でバスを降り、10時44分発、鹿児島中央行きのディーゼルカーに乗る。ここからまた10時間以上、列車に乗り詰めである。まどろんだり錦江湾を眺めたりして1時間が過ぎ、鹿児島の街に戻ってきて、12時3分、鹿児島中央着。

12時16分発の「つばめ46号」で鹿児島を後にした。トンネル内を新幹線は疾走し、新八代にはすぐ到着。ここで博多行きの「リレーつばめ」に乗換える。熊本で車内がほぼ満席になり、大牟田、久留米、鳥栖と北へ進み、福岡南側の丘陵を越えて、14時52分、博多着。駅構内で博多ラーメンの昼食をすませ、15時22分発の「のぞみ24号」に乗りかえる。夕暮れの山陽路を新幹線はひた走る。山陽新幹線は二度目で、東海道新幹線は幾度も乗っているので、退屈な5時間を過ごしながら私は新横浜へ向かった。

68 剣山へ進む

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