1999年10月2日(土) 費用発生 12,303円
山紹介及び最も楽な登り方・・・両毛国境稜線上の雄峰。足尾側からだと庚申山・鋸山を越えねばならないが、追貝側からの栗原川林道経由なら楽に登れる。といってもかつてのバリエーションルートなので注意深さとルートファインディング力が要求される。難易度評価は2。
810沼田=905追貝ー1005車に拾われる=1030栗原川林道12km地点ー1200皇海橋ー1320不動沢のコル1330−1412皇海山1427−1453不動沢のコル1500ー1601皇海橋ー1730栗原川林道=1930沼田
十月最初の休みに皇海山をやろうと思い立った。長い長い栗原川林道歩きは覚悟の上と考え、朝一番の新幹線に乗って高崎駅のホームに降り立ち、コインロッカーに翌日そのまま出勤となった場合に備えワイシャツとネクタイとスラックスを放りこみ赤い鍵を引き抜き上越線の車中で眠りこけながら沼田を目指した。
ほどなく沼田着。吐き出された高校生の集団にまぎれて地下道を渡った。バスの出札窓口で慣れた口調で「おっかいまで」と言い、メロディをちいさめに流す関越交通バスに乗り込んだ。沼田から駅前のつづら折りの坂を登り沼田の市街地をバスはゆっくり走った後、国道120号を進み稚坂峠を越え、老神温泉方面へとバスは走り、ほどなく追貝の集落に入った。
追貝バス停から、皇海山を示す道標に従いながらの道路歩きとなる。大きく1回カーブすると大きな追貝原である。あたりは一面の野菜畑である。かかる山奥にだだっ広い高原農場が前触れもなく広がるとは奇怪かもしれない。広い農場と青空を見ながら歩みを進め、そのようなところを30分弱歩くとNHK反射板のプレートのある交叉点を道標にしたがって右折し、すこし進むと林道入口の標識がある。通行止めの看板はあるがタイヤ痕は真新しい。アンテナへの道を左に分け、ほどなく道はダートの林道となり大きくカーブしては枝沢を渡り山腹をテクテク歩くという感じの道になった。
橋を三本渡った頃、幸運にも車に拾われ、林道のかなり奥まで乗せてもらった。林道通行止め地点からドン詰まりの皇海橋まで8km程度である。車に乗せてもらった埼玉の登山者と一緒のペースで歩いていった。峡谷の山腹につけられし林道をひたすら歩いた。途中1箇所分岐があり悩んだが右の林道を歩くのが正解であった。そこからは分流のちいさな流れをいくつか渡り、まだかなまだかなと思いつつ歩くと、栗原川の本流に出、それを皇海橋で渡ったところが登山口で、大きな標柱と案内板が立っていた。
埼玉から来た人のペースは速い。途中からは追従を諦め、自分のペースで登ることにした。まずは沢をからみながらの登りであった。沢を何箇所か飛び石づたいに渉るため、若干のルートファインディング能力が必要で、赤ペンキ、赤テープのコースサインを注意深くチェックする必要があった。しまいにはわずかに水が流れる沢の中を歩くようになり、苔むす岩の中を水がチロチロと流れる中を登る。尾根がいよいよ近付くと登山道は沢を離れ山腹の急なのぼり道となる。苦しみながら登りきると不動沢のコル(1800m)に着いた。鋸山十一峰が猛々しくそびえている。ここで昼食をとることにした。
不動沢のコルから頂上までは標高差300m、コースタイム60分。腹をくくってやろうと思い、一歩一歩慎重に登り行く。笹原の中をかき分け、森の中の尾根道を木の根にすがりつきながら登って行く。樹液が指に触れ、匂いをかぐと松脂の匂いがした。高度計が1900mを超えると山腹の大登りとなり、コース沿いにトラロープが張られた斜面を登った。標高2000近くなると、頂上まであと10分との表示があり、ほどなく傾斜がゆるやかになると青銅剣が立っており、さらに進むと渡良瀬川水源碑のある皇海山頂上にたどりつくことができた。
樹林が張り出しているので展望はあまり良くないが足尾方面のガレた山々や日光の男体山、奥白根山を望むことができる。踏破はいつになるかしらんとかねがね思っていた両毛国境の山奥の秘峰にようやくたどり着くことが出来て嬉しい。
下山は埼玉から来た人と一緒に下った。若干ペースを早めにして不動沢のコルまでは一投足で駆け下りた。ここから沢筋に下りるまでがすこし厳しい下りであった。高度1500を切ってからは道がややゆるやかになるのでスパートをかけ、どんどん下って行くと皇海橋に戻った。そこから林道を8km歩き、往路乗せて頂いた方に沼田まで送っていただき大いに助かり、当日中に帰京することができた。