2004年1月2日(金) 歩行時間 6時間33分 費用発生 9,400円
515多摩センター・・・530新百合ヶ丘540・・・652小田原702・・・747静岡802=久能尾850−寺島950−林道ゲート1050−1205大山1223−水見色峠1310−1345栗島1350−1430油山峠−1523牛妻坂下1538=1620静岡1629・・・熱海1745・・・1830茅ヶ崎1838・・・1941橋本1949・・・2000多摩センター
1年の計は元旦にあり、ドッグイヤーの現代において今年末の自分の境遇を予測する事は困難である。不況が続き消費が低迷する事は確かだが、一年後私はどこで誰と何をしているだろうと考えるとぞっとする。カイシャインでいられて、収入は今と同じか微減で、というのは希望的観測であろう。若い頃は、ミライは待つものではなく、自分で作るものであるなぞと考えていたが、いまは自分の努力が半分、あとの半分はギャンブルだと考えている。半分の自己研鑚で人事を尽くし天命を、と言うのもひとつの考え方だが、この世で自分も信用ならないことが最近分かってきている。本当の敵は不況でも世の荒波でも職場の上司でもなく、弱くて小さい己自身なのかもしれない。1年後の私は今と同じ立場を維持しているか、多少なりとも前進できているか、それともとち狂ってしまうか。
支離滅裂な前置きで恐縮だが、ともかくそういうことを元旦にブランデーを飲みながら考えていた。天気予報では休みの最終日、2日も好天を伝えていたので、この機を逃さず、大山をやろうと決めた。だが、復路の行程も静岡まですすんだので、もはや無理して座れないムーンライトながらを使う必要はない。青春18きっぷは持っているが、早起きして新幹線を使えばいいコンディションで歩けると考え、追加費用3,300円を承知で、日帰りで行う事にした。東海自然歩道の日帰りは往路のこの区間(栗島→久能尾)以来である。
1月2日の朝4時半の起床に成功し、5時前にザックを背負って自宅を出て、夜明け前の愛宕の山をこえて多摩センター発5時15分の始発で新百合ヶ丘、そこで小田原行きの鈍行に乗りかえる。車中で一眠りして、小田原に到着。新幹線乗り場へ向かい、3,300円を投入して静岡までの切符を買う。7時2分発「こだま441号」で西へ向かう。西湘の海をチラと見て、トンネルをいくつか抜けるともう熱海で、そのあと新丹那トンネルを抜けると三島。最近は在来線ばかり乗ってきたのでこの速度感に戸惑う。
7時45分、静岡着。駅前のバスターミナルへ移動し、8時2分発の久能尾行きのバスに乗りこむ。車内でまた一眠りして、8時50分ころ、終点の久能尾に到着。いそいそと歩きはじめる。食品店の横の階段道を登り始め、墓地の脇を登って行って、さらに斜面を登って行く。のぼりきると道は右折し、ほぼ等高線沿いの道が続き、茶畑のいちばん上をかすめて左に折れてこんどはぐんぐん下って、耕地の一番上に出る。鍵穴の集落を下って、吊橋で藁科川を渡る。橋のたもとには「お食事処」の看板を掲げた一軒家がある。かかる山奥で何を食べさせるのか気になった。
バス道路にでて日向方向へちょっと進んで、理髪店の脇にある寺島のバス停から右に折れて大山方面へ進む。ゆるい坂道を上がって行くと、坂本の公園に出て、なおも進んで行くといちばん奥の集落、一色である。大山へ至る道がわかりづらくちょっと迷ったが、砂防ダムのたもとから左に曲り集落の上を通りしばらくすると林道ゲートにでた。ここからさらに大山頂上まで林道歩きが続く。ここでMDウォークマンを投入。好みの音楽を聴きながら進む。一月だが今日は汗ばむほどの陽気である。こうなると耐寒用のベンチコートはかえって仇になる。
だらだらした登りが寺島から二時間近く続きいい加減うんざりしてきた。往路では歩きやすいことを幸いに苦もなく駆け下りた箇所だけに予想外の苦しさであった。林道はゆるい登り基調のまま曲がりくねり大山へ向かう。林道ゲートから13曲目の歌を聴いていると、ようやく目の前に電波塔が二本現れた。大山の頂上である。ザックを下ろしパンの昼食。ポカリをゴクゴクと飲む。東側には竜爪山、その向こうにはうっすらと雪をかぶった富士山が見える。復路で富士山を見たのは、これがはじめてであった。やはりいい山である。北西方面に目を凝らすと、白く輝く南アルプスの山々が見える。
休憩後、そろりと谷沢に下る。まずは頂上直下の急斜面を慎重に下る。北信濃の高妻山ほどではないが、急峻な歩きづらい下りを耐えて、そのあとちょっと尾根上を進み、そのあとは林の中の斜面を急降下。木々につけられたテープのコースサインを頼りに、かなりしんどい下りを経て、口長島への分岐を分けて、また尾根道を進んで、わずかな登り返しをはさんでシダが目立つようになると水見色峠。左に折れて、暗い林の中を進んで、道標にしたがって左に下って行くとあっさりと林道に出た。適当に下って、谷沢の集落を抜けバス道路に出た。右折してちょっと下って、栗島で足久保川を渡り、相沢温泉リゾートホテルの看板を頼りに登って行く。
あまりに暑いのでベンチコートを無理矢理丸めてザックに押しこんで、腰に巻いたジャンパーを羽織って歩く。茶畑を見ながら、集落をつめていって相沢温泉のリゾートホテルに出た。駐車場のバスの間をすり抜け、油山峠へののぼりにかかる。木がガサガサ物音を立てたのに気付いてあたりを見やると猿が見えた。鳴き声と物音から察するに数匹は居るものと思われる。頭上から襲撃されてはたまらないので素早く通りぬけ、沢沿いの急峻な登りをこらえる。油山峠越えはアップダウンそのものは短いが、斜面が急で、丸太階段化されていないのでいっぱしの登山道らしい道である。沢の源頭付近を渡ってなお急な登りをこらえると、油山峠に出た。
反対側の危なっかしい下りを慎重に過ぎて、茶畑最上部の作業小屋の前を通り、運搬用レールの上をまたいで谷筋へ下った。汗をかいたので沢水で顔を洗っておく。こういう仕儀も一月の山では異例である。ほどなく車道に出て、油山温泉の旅館前を通過し、そのまま道路を直進して行くと、安倍川に出た。曙橋で対岸に渡る。この川も川幅がやたらに広い。川風が冷たく感じた。眼前には次回登る予定の竜爪山がデンと横たわっている。
渡り終えて、午後3時20分過ぎ、離脱ポイントの道標にタッチし、本日はこれで終了とする。近くの牛妻坂下バス停で待つほどもなく、静岡行きのバスがやってきた。三十分ほど揺られて静岡駅前に到着。今回は復路のみ青春18きっぷを使い、熱海と茅ヶ崎で乗換えて、相模線回りで帰った。帰途、汗をかいたので渇きを覚え、相模線の車内でポカリのボトルを飲みながら過ごした。