第53区 神海→犬山

2003年5月6日(火) 所要10時間25分 第52区より継続

644大垣・・・730神海−735神海郵便局−815川内−845伊洞−945岐阜刑務所−1047才峠−1150三田洞−1200三田洞公園1225−1315松尾池分岐−1410千鳥橋−1442下芥見−1514老洞峠−1605須衛稲田−1630寒洞池−1652各務ヶ原公園1702−1800犬山遊園・・・名古屋

午前5時半、大垣駅前のビジネスホテルの一室で私は前夜に買った弁当を食べていた。きょうは犬山までの長丁場である。午前6時半、ホテルを出て、大垣駅のいちばん外れにある樽見鉄道線のホームへ向かう。きのうと同じ一両のレールバスが停まっていた。

6時44分樽見行きのレールバスはブルンとディーゼルエンジン特有の響きで発車した。揖斐川を渡って東大垣に停車。ここからは濃尾平野を淡々と北上する。電車のように加速性能に優れていないため、ブウーンとエンジンを響かせながら力走しても、路線バス並みの速度しか出ない。小駅にいくつか停まり、そのあと樽見鉄道本社のある本巣に停車した。向かい側には大垣方面へ向かう通学客を乗せた、いまでは珍しいディーゼル機関車に牽引された客車列車が停まっている。

本巣を過ぎると根尾川の谷に入り、トンネルを抜けたりして山間の様相が濃くなる。いったん対岸に渡って、谷汲口に停車。そのあとまた根尾川を渡って、畑の中を北進し、7時28分、神海着。かつては国鉄樽見線の終着駅であったが、いまは交換設備のあるだけの無人駅である。ゆっくりと長い歩きの旅を再開する。私は旅先では熟睡できない性質なので、少し眠い。国道を南下し、神海郵便局のポストにタッチして、前日の続きをはじめた。

国道を10分ばかり南下すると川内への分岐に出たので、そこを左折する。つまらない車道歩きがこのあと四時間も続く。対応策としていつものようにMDウォークマンの音楽を聴きながら歩みを進める。薄暗い森の中の車道を進むと、ほどなく川沿いに蛇行する道となった。歩く距離を短くしたいのでインを取るようにする。ほどなく川内の集落に出た。耕地の中の道を進んだ後、右折して鹿穴峠を越える。ゆるいのぼりを経て、あっさりと最高点を過ぎて、伊洞へのくだりにかかる。

伊洞の集落を突っ切ると、長い県道歩きが始まる。今日の市街地歩きはコースミスをしたくないので、きのうに大垣駅構内の書店で岐阜市の地図を入手しておいた。ほどなく雛倉の集落に入り、なお南下して昭和球場を横目に見て秋沢、則松と進んで行く。岐阜刑務所の監視塔が見え、刑務所の直前で左折し、宇田坂を切り通しで抜ける。のどかな岐阜市郊外の歩きが延々と続く。

村山の集落を過ぎて県道を横断すると伊自良川に出て、しばらく土手上の道を歩いて、道標にしたがって左折し、石谷の集落のいちばん奥から山道に入り、100mばかり高度を上げると才峠を越える。鬱蒼と茂る林のなかを東へ下る。岐阜市郊外とは思えないほどの静けさである。向かい側の集落に出て、畜産センターへの道を分けて眉山の南をまくように進んで、岩崎で2年前にはなかった大通りを渡る。暑くてたまらないので近くの山崎コンビニに入りアイスモナカを買う。

警察アパートの手前で右折し、川を渡って小学校の前を過ぎると、ほどなく三田洞の歩道橋。すこし進んで三田洞弘法の前を過ぎる。神仏温泉の建物もあり一浴しようかなとも思ったが、先が長いので自重しておく。ここから苦しい山道に入るので、12時にながら川ふれあいの森公園に入った所で休憩とする。大垣駅のベーカリーで買ったパンの昼食。ついでにウイダーインゼリーもひとつ吸っておく。ここからが正念場である。

階段状の道を一気に、高度差300mを稼いで、百々が峰(どどがみね)分岐を過ぎる。そこから道はくだりに転じ、白山展望台を通過。きょうは暑くて空気がよどんでおり白山は見えない。ここから一気に松尾池へ下降。山道の下りが林道になり、稼いだ高度をあっという間に落とすと松尾池の分岐。ここから長良川展望台へ再び登り。この登りは岩がごろついており厳しいと感じた。長良川ぞいの標高300足らずの丘だが、ガレた箇所もあってそれなりの高山を登っているかの錯覚を受ける。どうにか頂上着。金華山と長良川がいい眺めである。

下りは巻き気味の道をさっと下り、古津の集落に入った。ほどなく長良川沿いに出て、千鳥橋で対岸に渡る。長良川の深緑色の水面はゆったりと淀んでいた。山道の登り下りで渇きを覚えたので、自販機のジュースを飲みながら芥見の街に入って、名鉄美濃町線を渡って、下芥見に到着。往路は下芥見から神海までで一日行程だったのだが、きょうは欲張って犬山まで歩く。芥見の街を抜けて自動車教習所の横を通り、坂道が傾斜を増すとゴミ処理場の脇を通る。老洞峠への道は山火事の影響で車両通行止めであった。ゆるいのぼりを経て、老洞峠を越えた。このあたりが山火事のひどかったところであたりの木々が焼けたり黒ずんだりしていて凄愴な感じを受ける。山は焼け、下草だけが茂っている。

あっさりと下って須衛。ここから広い道路を東に進んで三ツ池を通過し、また清掃工場の脇を通って、須衛稲田に到着。ここでいったん山道に入り、ひとしきり登って山中を進み、寒洞池に着いた。池のまわりを半周し、各務の森へ抜けて行く。このあたりは往路で1時間以上もコースミスによる時間ロスをしたところなので緊張したが、どうにか見覚えのある車道に出て、それを登り切って右折すると日の出不動方面への下り道に出た。この道を下れば木曽川である。五時前、先が見えたので各務ヶ原公園の前でアップルパイとウイダーインゼリーの行動食。午後5時の閉園時間前らしく、公園のスピーカーは蛍の光を流していた。さすがに10時間近く歩いて疲れを覚える。腕が乾いた汗の塩でザラザラしている。

日の出不動からは赤い灯籠の並ぶ中を下り、川魚料理の店に誘惑されたりしているうちに下りがゆるやかになってため池の横を通り、ほどなく中仙道を横切った。国道21号の下をくぐり、JR高山線と名鉄を踏切で渡り、大安寺川沿いの道を延々歩いて、ようやく、ようやく木曽川に出た。東海自然歩道のルートはすぐ右手のライン大橋で対岸に渡るのだが、この橋は歩道がなく危険なので、木曽川右岸沿いに歩いて犬山橋へ向かう。幅広い流れの向こうに聳える白い犬山城。一日でここまで来たか、と思う。

犬山橋の手前で、インターネットで知り合った犬山の西田さんが待っていた。事前にメールで到着予定を知らせておいたが、暑さで予定時刻より大分遅れてしまい迷惑をおかけした。犬山城を見ながら犬山橋を渡り、ほどなく名鉄の犬山遊園駅に到着。10時間25分に及ぶ長い行程が終わった。名鉄の赤い電車を見て、名古屋圏まで戻ってきたかという感慨が胸をよぎる。柘植からの逆走区間がほぼ終わり、次回からは恵那コースである。

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