第37区 嵐山→大原

2002年4月9日(火) 所要時間10時間00分

京都625・・・嵯峨嵐山駅−渡月橋652−752落合−910栂ノ尾−1024菩提の滝1040−1155鷹峰−1255山幸橋−1350夜泣峠1400−1452鞍馬駅−1652大原バスターミナル

十二時間を越える苛酷な行程を終え、ほうほうのていでJR山陰本線の嵯峨嵐山駅にたどりついた。あろうことか京都駅前のアパホテルを押さえてしまっている。日帰りを2回行うよりも、体に多少負担のかかる1泊2日でやったほうが、往復の交通費−宿泊代 の分がコスト削減となる。コストパフォーマンス向上のためには多少の苦痛もやむをえまいと考えたのだ。京都に到着し、翌日分の食料を買いこんだあと、フラフラの状態でアパホテルに転がり込んだ。風呂に入った後、ベッドにバタッと倒れこむ。そして午前5時、目覚ましが鳴る。さて行かねばならぬ、足が痛くとも。

昨日とは打って変わって小雨がぱらつく中、ふらつく足取りでJR京都駅に向かう。山陰本線のホームは駅の西よりにある頭端式のホームであるため、少しばかり余計に駅構内を歩かされる。6時25分京都発の福知山行きの列車に乗る。ついこのあいだまで山陰本線は非電化でディーゼルカーの走るのどかな線区だったが、いまは城崎まで電化され、東海道・山陽線の使い古しと思われる緑とオレンジのツートンカラーの列車が走っている。だが線路は用地取得が難しいためか、一部を除いて単線のままであり、嵯峨嵐山までの間に二回、対向列車との行きちがいがあった。

6時41分、嵯峨嵐山着。さっそく駅前商店街から昨日打ちきった渡月橋まで歩き、東海自然歩道に復帰した。さすがにこれだけ朝早いと観光地の賑わいはない。亀山公園から竹やぶの中を横切り、山陰本線をまたぎ、嵯峨野の古い街並みや寺院を瞥見しながら進んでゆく。念仏寺をすぎてからは道ははっきりとした登りとなり、試峠への道を分けてからは六丁峠へのきつい登りとなる。きょうは疲れた体に鞭打って、5つもの峠を越えねばならぬ。車道の登りをつめてつめて、ほどなく頭上をパークウェイが通る六丁峠に到着した。ここからはつづら折りの下りである。

清滝川に降りついたところが落合であり、ここからしばらくの間、この流れを遡ってゆく。雨で濡れた岩の上を歩く箇所もあって気が抜けない河原歩きを経た後、清滝に到着。そのあといったん支流の堂尻川の方へおりていって、再び清滝川に戻っての河原歩き。そして観光名所でもある高雄へ。観光ホテルの前を通り、そのあと河原を離れて高みにある国道へ上がってゆき、そこからは車の往来が激しい車道歩きが続く。乗用車は怖くないが、大型ダンプカーくらいの巨大な車が轟然と通り過ぎるのは生きた心地がしない。

山城中川で国道と離れ、菩提の滝への道を進んでゆく。林道を延々と歩き、菩提の滝のすこし先でおにぎりの食事休憩。疲労が蓄積されているのであまり美味しいと思わない。そのあと気を取りなおして、さらに林道を進んで行き、沢の池への道を分け、林道のどんづまりから少し山道を進むと上ノ水峠に到着した。ここからは鷹峰まで下りだが、足が痛いためか不自然な格好でしか下れなかった。どうにか林道に出、北山杉工房の横を通過する。杉林の山中を淡々と下り、正午少し前に鷹峰に着いた。雨がやみ、日が射してきたのでたまらず自販機でアクエリアスを買い、飲みながら市街地を突っ切ってゆく。足がふらついて千鳥足状態のため、持っているアクエリアスがもし缶ビールだったならば、酔っぱらいの趣を呈するであろう。

京都北西の市街地を、道標を見落とさぬように慎重に歩いて鴨川を目指す。前回は早々とルートを見失い、玄琢をメドに修正したのだが、今回はさいわいルートどおりにあるくことができて、鴨川のたもとに出た。ここから鴨川沿いをひたすら北上し、山幸橋からはいよいよ山間に入って行き、支流からダートの林道に分け入って、ほどなく夜泣峠方面の登り口を見つけた。はじめは沢沿いでそのあと大きく曲り、山肌をからみつくように登って行く。着実に高度を上げて行き、標高400ちかくなるころ、夜泣峠のてっぺんに登りついた。歩きはじめて七時間経っているが、まだ峠越えはあと二つ残っている。ここでパンの行動食。峠を渡る風が冷たく感じ、思わずジャンパーを羽織る。

ジグザグの下りをしずしずと下り、ニの瀬の集落にたどりついた。叡山電鉄を踏切りでまたぎ、鞍馬街道に出る。上流へ向かって歩き、貴船口をすぎてしばらく進むと、鞍馬のささやかな街並みに入って行く。鞍馬駅前を通過し、鞍馬寺の門前をちらっと見ただけで、大原方面の山道へ向かう。薬王坂もそれなりの登りだが、わずか15分程度なので気が楽である。もっとも疲れきっているのでこの15分はそうとう長く感じたが。下りに転じてから、山奥の別荘を2,3軒見た後、洗濯板を思わせる急なコンクリ道を下って、静原におりついた。表編で休憩した児童公園では子供達がサッカーに興じている。

そのあと車道をしばらく進み、静原小学校の少し先で車道と別れ、江文峠へ向けて緩やかな登り。だがもはや足が思うように動かないためカタツムリのようなペースで登って行く。己を叱咤激励しつつ進んで行くと車道に戻り、そして江文峠を越した。そして再び山道の下り。それをしのぎ切り、車道を横断し、小松均美術館の前を通り、大原の里におりついた。そこからは車道を淡々と進み、寂光院への道を分けて、午後5時すこしまえに大原バスターミナルに到着した。大原は一流観光地なのでバスの便数は多く、待つほどもなく京都行きのバスに乗り込んだ。久々に体の芯まで、歩きの旅を堪能した。京都駅までの1時間、私は観光客で満員のバスの中で眠りこけた。

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