2001年10月8日(月・祝) 所要時間:6時間45分 費用発生 25,000円
2310京王八王子=530京都540・・・向日町546=558南春日町バス停−南春日町600−635金蔵寺−705杉谷−740ポンポン山−900神峰山寺−930上ノ口−1030萩谷総合公園−1120車作大橋−1210竜王山−1245忍頂寺=1340茨木1346・・・京都1427・・・新横浜・・・1750八王子

妙な絵:林 明彦
京都嵐山を歩き終え、いよいよ東海自然歩道西の起点である箕面公園まであと37km程度と迫った。2日あれば踏破出来そうだが、あいにく本業の仕事が忙しくなり、週1ペースで休みが推移しているためどうしても日帰りの連発というコストパフォーマンスの悪い歩き方となっているが、もはやここまできたら突貫あるのみである。職場でどうしても書類の文面が浮かばなかったり、上の人に叱責査問されてのたうち回るのと、この東海自然歩道ツアー道楽は同一人物がやっている以上、表裏一体のものであろう。仕事で疲れて飯を炊く余力もなく、安く上がって作るのと大差ないのをいいことに夕食をつい吉野家や松屋の牛丼ですませてしまうが、この道楽だけは手放せない。私が私である限り。
それはさておき、東海自然歩道もラスト・ツーとなって気が急くから、京都から帰ってから次回の計画を練り上げ、日曜夜の京都行き夜行バスを押さえた。さすがにこのあたりまでくると費用はかさみ晦日の番の金勘定で苦吟するのであるが、それ以上に胸のうちに湧き上がってくる興奮を隠せない。日曜の朝私は百獣戦隊ガオレンジャーを見ながら登山用具を手馴れた手つきでパッキングし、仮面ライダーアギトを見ながら身支度を整え、大きいザックを背負って会社へ向かった。いつもの手として、京王八王子駅のコインロッカーに荷物を預けておく。
仕事がはねて、ネクタイを外しコインロッカーから荷物を取り出し、駅ビル内の食堂でゆっくりと食事をしたのち、スーパーでおにぎりやパンなど買いこみ、いつものように京都行きのバスに乗りこんだ。このバスに乗るのも4回目なので、シートを倒し毛布をかけて私は眠りについた。夜中に何回か目は覚ましたが、まあまあ眠れて、早朝5時過ぎバスは京都東インターを降り山科に停車。そこから京都市街に東山をこえて入りこんで行き、三条京阪に停車。そして四条、五条、七条と走り、終点の京都駅八条口に着いた。そこからJR乗り場へ向かい、各駅停車の西明石行きに乗りかえる。二つ目の駅が向日町である。バスの始発まで一時間以上間があるので、私は駅前から南春日町までタクシーを使った。大幅に時間を短縮できるし、バスで20分足らずの距離なので、このくらいならばタクシーを使っても懐はさして痛まない。南春日町までのタクシー代は1,310円であった。
起き抜けに近い状態なので、朝食はあとまわしにして早々と歩きを始める。午前六時、前回打ちきった南春日町の道標にタッチしコースに復帰した。ここからは竹やぶの中をゆっくり登って行くアスファルト道である。このあたりは大原野とよばれているところであり、京都近郊とは思えないくらいのどかな、山ふもとの田園地帯である。その東方から朝日が昇る。15分ほど歩き、身体も温まってきたのでジャンパーを脱ぐ。ついでにアスファルト道対策用のMDウォークマンを取り出し、音楽を聞きながらアスファルト登りを続ける。ほどなく道のドンズマリから階段を上がり、別の林道に出てすぐに山道に入る。若干暗い印象を受ける山道をひとしきり登ると金蔵寺の山門まえに到着。
道の脇からもう一度山道に入り、巻き気味に登りを続ける。それほどきつくは感じなかった。左手に清流と滝など見ながら緩やかなのぼりは続く。ほどなく墓石のやたら多い墓地の横から林道に出て、すすんでゆくと二つに道が分かれ道標に従い杉谷方面へ向かう。林道をとぼとぼ進み、杉谷のこぢんまりとした集落に入る。ほどなくポンポン山方面の山道が分岐。田圃の奥から山に入って行く。小沢をつめて、そのあとひと登りして、意外にあっけなく稜線に出た。ほどなく釈迦が岳からの道を合わせ、山腹を巻いたり、やせ尾根どおしに進んで行く。ポンポン山頂上まではあと少しである。この山、歩くとポンポンという音がする(中が空洞になっている?)からポンポン山という名がついたらしいが、地面をドンドン踏みしめてもそんな音はしなかった。
ポンポン山の頂上はコースをわずかに離れた所にあったが、いくら不精者の私でもピークは寄ることにして、丸太階段を登りポンポン山到着。まだ歩き出してから一時間四十分。文字通り朝飯前で片付けてしまった。頂上で山々を見ながら弁当の朝食。東の方を見やれば京都市街ごしにうっすらと前々回越えた比叡山が見える。ここからは本山寺へ向けての歩きである。ポンポン山を越えればいよいよ最後の都道府県、大阪府に突入する。ゆるやかなアップダウンの繰り返しが続く。今日は祝日なのでハイカーとすれ違う。尾根上を進み、川久保谷への道を分けると道がはっきりとした下りとなり、杉の古木を瞥見してなお下り、本山寺の分岐。道標に従い左に道を取り、ずんずん下って行くとあっさりダートの林道に出た。日差しを浴びながら林道の下りを続ける。
ダートの林道がいつのまにかアスファルトに変わり、川久保への道を分けると神峰山の森に入って行く。桧尾川を渡り、午前9時に神峰山寺の前に出た。林道を下り道路に出て、田圃の横の参拝者がけっこう多い道を進んで行くとバス道路に出て、ひとしきり歩くと上ノ口のバス停。自販機が目に入ったのでアクエリアスを飲む。芥川方面へ少し歩き、釣り客でにぎわう摂津峡を横目で見ながら進み、渓谷沿いの遊歩道を歩いた。区間は短いがけっこう峻険な谷で、かつて戦国大名の三好氏が摂津峡の裏山に芥川城を築いたこともある。支流分岐点からまた山に入って行く。支流をつめて山腹を20分ばかり登ると萩谷公園の敷地内に入ったためか立派なコンクリ造りのジグザグの遊歩道となる。山腹に無理矢理、電光形の立派な歩道がつくられているため、こっけいな印象を受ける。
公園内を横切り、更に歩くと萩谷の集落に出る。古い土蔵などがあって、案外ささやかでのどかなところである。そこからなお林道をひと登りして、バス道路に出た。ここからは東海自然歩道は二つに分かれる。山を越えて竜仙の滝を通る「若人向きコース」とアスファルト道が続く「一般向きコース」である。私はアップダウンに弱いので、若人でありながら体面を気にせず、一般向きコースを歩くことにした。(どちらをとっても所要時間はさほど変わらないと思います、一般向けコースは楽ですが単調です)バス道路を歩き、テニスコートなどがある萩谷総合公園でジュースを飲んで一憩したあと、バス道路と分かれ竜仙峡への道を進む。武士自然歩道とクロスし、そこからは単調な林道歩きを小一時間続け、飽きてくる頃道は下りに転じ、安威川にかかる車作大橋の脇で若人コースと合流した。
橋を渡ってすぐに、竜王山方面へ道標に従い林道を登って行く。少し登って車作の集落に入って、集落の奥の用水を引いた村の庄屋のことが記してある看板の脇から山に入って行く。アスファルトで舗装されているが道幅は耕運機が通れるくらいの狭さである。ほどなく林道に出て左に折れ、すぐに竜王山の登山口を見つけた。ここから丸太階段の登りを経て、竜王山への登高。疲れているせいか結構長く感じた。ふうふう言いながらいつ終わるのかと考えつつ登る。ようやく道の先から子供達の歓声が聞こえ、竜王山頂上の公園に到着した。展望台のほかに滑り台などがあり、ちょっとした公園になっている。子供達の話し声もやはり関西弁である。
そのあと少し下って宝池寺の中を通り、林道を下って蛙岩の手前のベンチで手早くおにぎりの昼食。林道から山道にくだり、ほどなく忍頂寺の集落に出た。時刻は12時45分。箕面のゴールまではあと13キロ程度の四時間コースで、無理をすればそこまで行けないこともないが、今日はアップダウンの激しいコースだったため自重し、これにて終了とする。阪急茨木行きのバスがやってきたので乗りこみ、東海自然歩道をあとにする。バスは山を下って茨木市内に入り、JR茨木駅に到着した。京都に出たのが午後2時で、新幹線を利用し、自宅には夕方六時半に帰着した。これで残るはあとわずか、忍頂寺から箕面公園までのコースのみとなった。長かった旅の終わりが近づいている。