2000年12月10日(日) 費用発生:30,750円(20区込み) 所要時間9時間43分
2114八王子・・・2205東京2250=550新豊田 616豊田市・・・猿投・・・西中金656=712香嵐渓ー833元山中ー930千鳥寺ー1050三河広瀬1100ー1201田茂平ー1320猿投神社ー1512猿投山ー1655雲興寺ー1715赤津=1730尾張瀬戸・・・栄・・・名古屋(泊)

通信手段の発展による、いわゆるIT革命によって、時間の流れは従来の数倍に加速された。いまアメリカが経済的繁栄を享受しているのも、IT革命により生産性が向上したからである。もっとも、システムと対極をなす人間的な視点で見れば、外部環境の変化が猛烈に早い、いわゆる「ドッグイヤー」の難儀な、容易でないシステムに放りこまれたのである。みなともどもに「ウカウカしている場合ではない、」と生き残るために急いでいる。そういう環境下では人間性だの感受性だのと言った人間的な部分が置き去りにされて人は心をなくしてゆくのである。そんななか突発的に山に行きたくなる時もある。あの青空を見たい、足が棒になるまで歩きつづけたい。システムが人間を殺すのであれば自然は人間を解放するのである。というわけでいきなり、
土曜夜の東京駅八重洲南口は夜行バスを待つ人で雑踏していた。もはや深夜移動の主役はかつての夜行列車から夜行バスへ交代した感がある。さて、22時50分発の高速バス「ドリームとよた号」は岡崎・豊田・瀬戸を経由して名古屋まで行く。2階の窮屈な座席に座る。リクライニングの角度が若干深くなっているだけであとはそこいらの観光バスと大差なく、大荷物を抱えているので足が伸ばせなかった。バスは霞ヶ関から首都高に入り、そのあと東名高速に入って行く。寝つくのにやや時間がかかったが豊田の手前までうとうととまどろむことはできた。愛知環状の新豊田から名鉄の豊田市まではぺデストリアンデッキを渡ってすぐである。
猿投でディーゼルカーに乗り換え、ほどなく終点の西中金。ここから名鉄バスで前回打ちきった香嵐渓へ。低い峠を越えて、巴川沿いの道に出て香嵐渓着。まだ紅葉が残っている。ここから巴川沿いに南下して行く。土手沿いからアスファルト道となり、足助役場などを見ながら淡々と歩く。ほどなく白鷺温泉に入り、さらに南下するとふたたび樹林帯に入り流れを高巻くようになる。そして再度林道と出会うと大島の集落に入り、巴川を渡り集落を道標頼りに進んで行き、民家の脇から元山中峠へ上がって行く。短いながらも急なのぼりである。落ち葉の積もるも元山中峠はシェルパ斉藤さんの骨折事故現場でもある。峠からは元山中へと下って行く。ほどなく元山中の集落。車道をちょっと進んでからまた民家の脇から道に入り、いったん林道を横切ってトイレの裏から山道に入る。
次のポイントは千鳥寺である。低い峠を越え、右手にゴルフ場を見ながらあるくと林道と交叉し、すこしくだると車道に出て、千鳥寺の前に着いた。だがここでコースミスをして30分ロスしてしまった。勘八牧場へはここで左に進むべきところを千鳥寺の前を通って行くのだなと考え右に進んでしまった。悪いことにそのまま車道を上がって行くと左側に東海自然歩道の小さい表示があったのでそれに入ってしまい、ほどなく左手にゴルフ場が見えた。こんな所にゴルフ場がいくつもあるとはと思いながら進んで行くと見覚えのある「千鳥寺0.7k 元山中1.5k」の標識が。道を間違えたあげく元来た道を突き進むとは。千鳥寺まで歩きなおし、左折して勘八牧場へ向かう。林道歩きを経て、ほどなく牧場内を突っ切る道に。牛が数頭群れていた。
そこからすこしダートの道を下り、勘八峡から三河広瀬までの車道歩き。猿投グリーンロードの上をまたぎ、ほどなく左折の表示にしたがい幹線道路に出て、反対側から広瀬城址への急なのぼり。そのあとは急な階段の下り。眼下に名鉄線のレールが光っている。ほどなく三河広瀬着。駅前には喫茶店しかなかったのでコーヒーをとりあえず飲む。トーストと温泉卵とバナナの切れ端のサービスつきであった。さて、矢作川を渡り、田圃の末端からまた山道に。この辺は西広瀬小が手を入れている道らしく、いっぷく峠やキャラメルの丘など、ユニークな地名が多い。なだらかな道を一時間弱進むと車道に出て田茂平。ここからは「昭和の森」の構内を突っ切る道である。人工的な公園内を自然歩道があるというのもおかしい気がするが。
砂利道を進んで、ほどなく左に折れて公園内の大通りを淡々と歩く。雨が落ちてきたが致し方ない。池のそばをとおり、フィールドアスレチックの横をかすめてから「昭和の小道」にはいってゆき、いつのまにか公園内を抜け出し、採石場の脇を通ってから住宅街に飛び出す。ほどなく西中山の交叉点。ここを直進してすぐに迂回路の表示が出たので、(ここは従った方がよい迂回路)車道を淡々と歩く。大池のそばを通り、大きい通りに出て左折してしばらく進むと猿投神社である。まだ午後一時過ぎなので強引に進む。猿投山はイメージ的には「愛知の高尾山」だが、実際に歩いてみると高尾陣馬よりは手強い印象を受けた。
まずは林道の登りから御門杉、そこからはしんどい急登。高度400mを過ぎると東屋が現れる。高度500を越えるとまた林道に出て、今度はすぐに横切ってから東宮への登り、高度計をながめつつのしんどい登りである。高度630でようやく東宮。ここでおそい昼食にする。さて、猿投山の頂上までは尾根歩きで、そんなに苦しむこともなく頂上着。午後三時をすぎているので雲興寺まで日がもつか心配である。ここからしばらくはアップダウンの激しい尾根歩き。小ピークにはいくつか巻き道がつけられている。ほどなく道が下り一辺倒になったかと思うと高度335mくらいのところで林道に出て、右折すると林道がややのぼり気味となる。東海豪雨の影響か、何箇所か抉れている。トイレの脇で林道と別れ、最後の登りである。450mくらいまで高度をかせぐ登り返しである。ここにきての登りは本当にしんどかった。
ようやく道は尾根どおしとなり、今度こそ本当に最後の下りとなる。足下はおぼつかずもはやフラフラである。夕暮れ時、山はどんどん暗くなって行く。ひとしきり下ると沢沿いの道である。荒れた箇所には土のうで補修がされている。流れがだんだんはっきりとしてくると終わりも近い。まだ懐中電灯の出番ではない。車の音がはっきりしてくると本日ゴールの雲興寺は近い。しばらく車道と並行したのち、橋を渡り、雲興寺にたどりついた。ここからバス道路を20分弱下り、赤津バス停から尾張瀬戸経由で名古屋に向かい、駅構内のレストランでみそカツを食べてから名古屋駅前のビジネスホテルに泊まった。
2000年12月11日(月) 19区から継続 所要時間6時間54分
名古屋・・・尾張瀬戸715=725雲興寺ー840岩屋堂ー1010白岩ー1130稚児橋ー1250山星山1300ー1419定光寺1431・・・1502名古屋1519・・・1657新横浜・・・1803京王八王子・・・桜ヶ丘
朝五時モーニングコールが鳴る。さて行かねばならぬ。足が痛くとも。名鉄瀬戸線の車中では眠りこけ、尾張瀬戸から贅沢にもタクシーに乗り雲興寺をめざす。料金は1500円であった。さて山門から境内に入り、本堂の左奥からいきなりの急なのぼり、そして下り。くだったところがキャンプ場。ここから沢沿いの荒れた登り。通行止めの表示があったが無視して登る。沢沿いの登りから尾根越えの急登り。そのあとダートの林道のような幅広い道の下り。くだりきったところが岩屋堂。大きな巨岩のお堂のよこから展望台に続く急なのぼり。鳥居をいくつかくぐり、急なのぼりをこらえると展望台。そこからは尾根どおし、そして沢沿い、再び尾根に取りつく急登りと変化に富んだ道である。
500m近くまで高度をあげると稜線に出て、尾根道をしばらく進むと岩巣山の分岐。ここからは下りであり、ほどなく沢沿いの小道となり、林道に出て、さらに下るといったん山道の下りをはさんで白岩の里に到着。ひなびた集落をのぼってゆくとバス道路に出て、白岩バス停の対面に次の道があった。またも厳しい登りがすこしあったあと、今度は平坦な山道が続き、またも集落に出る。ここからは広い通りを進んで行く。自販機があったのであたたかいコーヒーを飲む。ほどなく中平橋のたもとから川沿いの道、そして山のはしっこをたどる道をゆくとトイレの前を通り、しばらくあるくと道がちょっとした登りに転じ、交通量の多い道路をまたぐ。そこから茶畑の中を地図とにらめっこしながら歩き、茶畑を抜けると長い下り坂の後国道に出て、稚児橋にたどりつく。川を渡り、最後の山に取り付く。
ゆるい登りや尾根どおしの道がえんえんとつづく。もっとも当方もそうとう疲れていたので足取りは重く、宮刈峠までが意外に長かった。昨日とは違って日が射してきた。やわらかな日差しを黒のベンチコートが吸収するのであたたかい。宮刈峠で林道とクロスするがトイレの前の矢印にしたがいそのまま山道を進む。ようやく、コースタイム通りの時間をかけて山星山到着。名古屋市街方面がよく見える。ここで昼食にする。さて定光寺まであとは気合で歩く他ない。そこからも尾根の道が続き、ようやく大洞峠の渡道橋。ここからすこしの登りをこなし、しばらく歩くと左上にフェンスが見えてきて、ほどなく道標に従いそのフェンス内に入り、階段を登るとそこが愛知県労働者研修センターであった。そこから駐車場とプールの間の道を進み、車道を横切るとすぐに高根山。事前の道標を見てもう一山越す積りでいたのでいささか拍子抜けした。
そこからすこし下り、先ほどの林道と合する直前に右に折れる表示があったのでそれに従い、杉・ヒノキ林の中のゆるい下りを淡々と進む。先が見えてきたのでスパートをかけ、林道に出た。定光寺へは右に下る。林道歩き用のウォークマンを取り出すべく(今回もウォークマンを持参したのだが西中山の迂回路でしか使わなかった)ザックを降ろし荷物を開き・・・ここで左膝に激痛が走った。もはや体重を掛けられなくなっているのだ。一瞬顔をしかめる。足を引きずりながら、音楽を聴きつつ回りこむように下って行くと大きい駐車場の横を通り、左折して定光寺駅への道をゆく。ほどなく車道と川をはさんで対面につけられた渓谷遊歩道にはいり、水量の少ない迫力に乏しい渓谷を瞥見しながら下って行くと先に大きな崖が見え、その崖にへばりつくように鉄道と駅があった。
やっと着いた。中央西線の定光寺。まさかここまで来てしまうとは。ね。
庄内川の流れを城峰橋でわたり、崖の突き当たりを右折すると定光寺駅である。今回の行程は終わった。駅前の商店で切符を買う仕組みになっていて、とりあえず名古屋までの切符を買う。そのあとホームまでの階段もベラボーに長かった。中央線の車内で眠りこけ、名古屋で新横浜経由八王子までの乗車券・特急券を所望すると9800円ですと言われる。一瞬引いてしまったが、はるばる来てしまったんだなあと思い一万円札を差し出した。