2000年11月13日(月) 費用発生19,000円 所要時間9時間43分
106小田原・・・430豊橋553・・・657本長篠734=815田口830ー912大名倉ー1116段戸湖1130ー1310寧比曽岳1317ー1453金蔵連峠ー1615綾渡ー1740安実京ー1813香嵐渓1819=1833西中金1843・・・猿投・・・1955知立・・・豊橋2143・・・2302新横浜2308・・・2355橋本・・・006多摩センター

愛知県の東海自然歩道は意外とシビアな区間が多い。今回もヤマ場のひとつであり、設楽田口から本コース・恵那コースの分岐点である寧比曽岳を経て香嵐渓に至る区間をどう処理するかについて、日程作成者はこの1週間ない智恵を絞ったが、けっきょく奇策は思い浮かばなかったので、「最初からガンガン飛ばす」という基本方針を固め、あわよくば香嵐渓発20時19分の最終バスに間に合ってほしいなと思い、実行を決意した。
深夜1時前、いつものとおり私は小田原駅近くの吉野家で牛鮭定食を食っていた。食料の調達は翌朝待ち時間を利用して豊橋のローソンで行う予定である。さて1時6分発の夜行快速「ムーンライトながら」に乗り、前回と同じく豊橋を目指す。今回は豊橋の手前まで何も覚えていない。豊橋で食料を仕入れた後、飯田線の始発に乗りこむ。1週間前と同じ行程である。本長篠で田口行きのバスを30分ばかり待つ。バスの車内は中高生で満員であった。しばしまどろむうちに終点の田口、前回一夜を明かしたレストハウス脇の立派なトイレに入ってから歩きを開始する。すぐに前回打ちきった福田寺の石段が見える。脇道から設楽警察署の裏を通り、ほどなく民家の脇からまずは寒狭川への下り、山道を下りきると寒狭川沿いの林道に出て、バス停のたもとの古い橋で右岸に移る。そこからは淡々と林道沿いの遡行を続け、大きい支流を渡ると道幅が狭まる。それでも渓谷沿いの気持ちのよい道である。ほどなく大名倉の集落である。
そこから先もなお寒狭川の川沿い歩きである。しかも道は元森林軌道なので造りがしっかりしており歩きやすい。今日は先がおそろしく長いので出きるだけ早足を心がけた。川幅がだんだん狭まると道は徐々に寒狭川を高巻くようになり、いくつかの支流を越しながら高度を巻くように上げて行く。やがて道は山腹のからみ道となり、林道を2回横切ってもなお高度を稼いで行く。ほどなく道がいったんくだりになり、しばらくすると県道に合流し、起伏がないのをいいことにどんどん飛ばして歩くと右手に裏谷のささやかな集落が見え、駐車場の脇から段戸湖に飛び出した。ここでおにぎりの昼食にする。段戸湖は人造湖らしく、変哲のない水溜りといった感じである。
早々と休憩を切り上げ、寧比曽岳へ向かう。まずは裏谷原生林を周遊したのち、再び林道に出て五六橋を渡る。ほどなくトイレの横から登山道に入り、自然観察路を分ければ頂上までは一本道である。段戸湖と頂上の間は標高差があまりないこともあり、ほとんど水平のトラバース道であり歩きやすい。前回私を苦しめたアップダウン地獄もなく、あっけなく頂上まであと30分の表示。ここからはさすがに階段混じりの急登である。富士見峠からいったん下り、鞍部から寧比曽岳頂上へ向かって最後の登りをしのぐと、頂上にたどりついた。奥三河の山々が重畳とつらなっている。さて先は長い。あと21kmもある。まずは金蔵連峠への稜線歩き。しばらく稜線ののぼりくだりが続きすこし閉口する。林道とクロスしたあとは防火帯沿いの歩き。いったん大きく登り返して筈が岳分岐を越え、さらに防火帯を歩く。道はややくだりぎみとなってきた。ほどなく林道に出、林道をすこし歩いてから再び山道。そしてそこからかなり下って、また林道と交叉し、そのあとやっと林道とぶつかる金蔵連峠に到着した。古びたトイレがある。
午後3時前、日はあと2時間しかないが綾渡まではもちそうである。休まずにそのまま綾渡へ下る。空腹を覚えたがハイソフトキャラメルを3個ほうりこんで対応する。ほとんど下り気味のごく普通の樹林帯の山道である。ときどき林道と並行する。1箇所林道と交叉する箇所があり、ここは林道が切通しになっているため、切通しの下までおりてから林道をわたり、また対面へ登り返す箇所があった。ほどなく田圃の末端に出、そこからは綾渡の集落を横切ったのち、ふたたび山道に入り尾根上を登って行く。午後5時がちかくなり、林の中が薄暗くなってきた。ここのベンチで休憩。ザックから懐中電灯を取り出す。今回からの新装備として大塚の某ホームセンターで1980円の強力マグライトを用意しておいた。一般の懐中電灯の倍は明るい。またついでに空腹も処理すべく、ウイダーエネルギーインを2袋吸い込む。さてもうひと頑張り、尾根上をすすみススキの茂る中を登ってから谷筋におりてゆくと林道である。
あとはほとんどが得意の林道歩き。疲れきっている体に刺激を与えるべくウォークマンを耳に当てる。今回は好きなアーティストばかりを集めたスペシャル版である。林道を下り、ほどなく左折して安実京へのくだりにかかる。足は痛く、体もフラフラであるが前に進む速度は衰えない。耳からは音楽、山の端に夕日の残光が残り、当方の全神経が前進することに注がれている。まさにウォーキング・ハイという状況であろうか。叫び声を上げたいほどの快感である。テープを半面聞き終わると安実京まで400mの表示で、そこからすこし山道を懐中電灯照らして歩き、降りたところで車道とぶつかる安実京。ゴールの香嵐渓まではあと3kmである。橋で巴川の対面に渡り薄くらい川沿いの車道を淡々と歩く。ほどなく旅館やレストランが立ち並ぶ観光ずれした地域に入り、なおも歩きつづけると大駐車場の脇に出て、観光客でにぎわう香嵐渓に到着した。
フラフラの体で西中金行きのバスにのり、西中金からはディーゼルカーで猿投へ、そして名鉄電車で知立をへて豊橋、新幹線で新横浜、横浜線で橋本へ出て京王線で多摩センター着0時6分。モノレールの電車はもうないので自宅まで歩き、すぐさまバタッと倒れこむ。長かった一日が終わった。