YAMAMIX CLIMAX 2005 追撃戦

88 雌阿寒岳 1499m

2005年8月8日(月) 所要時間4時間35分 費用発生 109,500円(十勝岳とセットで)

前夜1842八王子・・・新宿・・・神田・・・浜松町・・・羽田空港2050***2220新千歳空港2231・・・2236南千歳2345・・・544釧路720=920阿寒湖畔930=945雌阿寒温泉945−1153雌阿寒岳1245−1420雌阿寒温泉1557=1620阿寒湖畔1705=2150旭川(泊)

南アルプスを全山踏破して、私の登山人生の中で一区切りがついたなと思ったので、間髪入れずに北海道初上陸をやろうと思い立った。わたしにとって北海道とははるかなる北の大地というイメージが強く、またヒグマに撲殺されてしまうのではないかという恐怖心もあって、今の今まで手付かずとなってしまった。しかし、100名山の残りがすくなくなるにつれ北海道の山をどうするかという懸案の先送りが出来なくなり、職場の大先輩のM永さんからは「飛行機に乗るのが怖くて北海道に行けないおろかもの」などと云われるに至り、いよいよ重い腰を上げざるを得なくなった。

北海道の山にはヒグマが居る。本州のツキノワグマと違って獰猛らしいし、ツキノワグマさんが体重90kgそこそこであるのに対しヒグマは200kg〜300kgらしい。いろいろと本で研究したが、熊撃退スプレーは5m以内の至近距離から噴射せねばならぬというし、首筋だけガードして死んだフリしろとかナタを抜いて戦えとか色々な事が書いてある。そんなのに殴られて死ぬのはおぞましいが、過去実績からいって登山中に襲撃されたケースは数えるほどなので(山菜取りは危ないらしいが)登山者全体を分母にしたやられる確率はごく稀と思われるので、まあ多分死ぬようなことはないだろうと考え、北海道の山の実施を決意した。2日の休みで2座稼ぐ前提で、火山活動しており登山規制がかかる可能性のある雌阿寒と十勝をやろうと思い、プランを立てた。

南アルプス行の疲れも抜けない8月7日、私は定時に会社を抜け出して、いつものようにJR八王子駅のコインロッカーからザックを回収し、18時42分発の特急「あずさ56号」で新宿へ向かった。車中でまどろむうちに新宿。中央線の快速に乗り継ぎ神田。京浜東北線で浜松町に出て、意外にスピード感のある東京モノレールで羽田へ向かった。空港第1ビルで下車し、JALのカウンターで搭乗手続き。飛行機の旅も二度目なら慣れたもので、離陸時の急加速にもあまり動揺せず、機内であなご弁当と冷しおでんのゼリー寄せを食べてるともう着陸のベルトサインが点いた。

22時過ぎに新千歳空港にランディングし、地下のJR乗り場へ向かう。じつはこんなコースではじめての北海道入りをやりたくはなかった。北海道は中学生の頃から憧れていて、「絶対俺は北斗星のB個室ソロに乗って、青函トンネルを通って札幌へ行くんだ」という野望があり、カラオケでの持ち歌も「津軽海峡冬景色」だった。なのに図らずも北海道初上陸は飛行機で一時間ちょっとで着いてしまった。地下ホームで私は何回かほっぺをつねってみた。ここは本当にホッカイドウなのだろうか、飛行機に乗ってどこか別の所に行ったのではないかと。

手稲行きの電車で一駅、地上に出て南千歳で夜行特急「まりも」を1時間ほど待つ。電光掲示板の「特急まりも 根室」の文字が。待合室でピーチネクターを飲みながらいつもの日曜夜のお笑いバラエティ番組を見ながら待って、23時45分、夜行特急「まりも」に乗る。押さえた指定券は喫煙席の1号車で、紫煙の立ち上る中ではあったが疲れているのでそのまま眠ってしまった。帯広や池田の停車で断続的に目を覚ましたが、断続的に眠れて、そして夜が明け列車は太平洋岸の素寒貧としたところを走り続けている。音別、白糠に停車して、5時44分釧路着。

駅前は海鳥の鳴き声が聞こえ、8月となのに肌寒さを感じる釧路の早朝。ついに来たのかという心境になる。バスの時間まで間があったので和商市場となりの朝市で焼きホッケ主体の朝食。そのあと開店直後の和商市場を見物。毛ガニ、タラバガニ、花咲ガニがものの見事に並んでいる。朝から勝手丼のトッピングをする旅行者も多い。駅前のコンビニで行動食を買ったあと、7時20分発の阿寒湖畔行きのバスに乗り、眠りこけながら阿寒湖へ向かう。気がついたらバスは森の中を走り、ほどなく阿寒湖に到着。ここから雌阿寒温泉まではバスが1日1往復しかないのでタクシーに乗らざるを得ない。私は携帯でタクシーを呼び出し登山口へ向かった。雌阿寒温泉までのタクシー代は5,500円であった。

9時45分、いよいよ私は北海道の山へ第一歩を踏み出した。内地とあまり変わりない原生林の中の緩やかな登りから始まった。今回は帰りのバスの時間までかなり余裕があるので、わざとゆっくりと登った。三合目から樹林帯を抜け、低木帯・ハイマツ帯を抜ける。ほどなく山腹をトラバース気味に進み、トラバースの終わり付近ですこし下って涸れ沢を横断。そのあと再び登りになって、ハイマツのトンネルみたいな所を抜ける。やがてハイマツも尽き、わずかなコケ類だけが生えたザレ道を進んでゆく。滑りやすい斜面をペンキマークを頼りに高度を上げて行って、ほどなく九合目の稜線に出た。

右手の火口からは噴気がシュウウウと洩れている。そのあと稜線をちょっと登って、11時53分ころ雌阿寒の頂上にたどりついた。登頂のポーズ、決めっ!きょうは晴れており展望は良好。北側西側は緑のカーペットがどこまでも広がっており人間の手の入っているのは点と線なのだと感じる。近景は凄愴であり、オンネトーコースへ向かう稜線の先からは噴気が濛々と立ち上り、その先に阿寒富士がのっそりと聳えている。北側は阿寒湖の青、そのわきに雄阿寒の形の良さ。

けっきょく頂上には小一時間いて、パンを食べながらまったりと過ごしながら景色を堪能した。下りもまったく本気を出さずテキトウに下ったが、はじめのうちはザレ道に慣れず何回かスリップしかけてバランスを崩す事もあった。意識して小幅のステップを切る。日が射してきて暑さを感じる中、ハイマツ帯を下り、涸れ沢を横切りすこしの登り返しを経てトラバースを過ぎると樹林帯の下り。熊対策の意味合いを含めてラジオのスイッチを入れる。郵政民営化法案否決のニュースを聞きながらタラタラとくだり、登山口に戻った。

野趣のある雌阿寒温泉の露天風呂でくつろいだ後、15時57分発のバスで阿寒湖畔へ戻り、待ち時間を利用して夕暮れまえの阿寒湖畔を散策してから17時5分の長距離バスで旭川へ向かう。一眠りするとバスは北見盆地を走り留辺蘂で十五分停車。そのあとバスは国道39号線を猛進し、夜の石北峠を越えて層雲峡や上川を抜けて、旭川盆地に入り21時50分、旭川駅に到着。駅前のビジネスホテルに投宿。北海道はじめての夜なので、荷物を置いた後、夜の街にさまよい出てうまい物の食えそうな店を探す。けっきょく寿司屋に入り、ビールとカニ酢と握り寿司で八十八座達成を祝った。

89 十勝岳 2077m

2005年8月9日(火)

547旭川・・・620美瑛655=726白金温泉−813望岳台826−920十勝岳避難小屋−1108十勝岳1126−1240十勝岳避難小屋−1315望岳台1335−1415白金温泉1653=1714美瑛1744=1805旭川空港2020***2200羽田空港2240=2345聖蹟桜ヶ丘

5時47分旭川発美瑛行きのディーゼルカーの車内でまどろむ。強行軍のわりに睡眠が取れていないので眠い。美瑛から白金温泉行きのバスに乗る。バス停が駅からすこし歩いた街道沿いの信用金庫前だった。区画の切られたジャガイモ畑の中をバスは走り、ほどなく山沿いに入って、白金温泉に到着。保養センター前でバスを降り、車道向かい側の望岳台歩道に入る。しばらくはダートの林道みたいな道。ところどころ傾斜がきつくなる箇所があるので楽な道ではない。汗をかきつつ進む。途中1箇所林道を横断してからなおジリジリと高度を上げ、車道と合流して望岳台に到着。眼前の十勝岳がデンと立ちふさがり、山の上から噴煙を威勢良く上げている。ここで天丼の朝食。

駐車場の脇から望岳台の看板を抜け、登山道ともダートの林道ともつかぬ道を進む。直線状に道は延びているが意外と真っ向から高度を稼ぐ道なのでかなりきつい。白銀荘への道をわけてからもきつい登りが続く。そのあと道は左にカーブしつつ高度を上げて行って、美瑛岳との分岐を過ぎると若干険しい道ののぼりとなって、ほどなく十勝岳の避難小屋に到着。苦しいので余分な荷物を小屋の中にデポし、荷を軽くして小屋を出た。ロープでしきられた涸れ沢を横断して、そのあとも急斜面のしんどい登りが続く。

道はジグザグの登りとなり、そのあとは眼前の黒い斜面を登ると眺めが良くなり、標高1730m地点に到着。ここでやっと目的地の十勝岳の非対称の三角形ピークが現れた。右側の昭和噴火口からは噴煙がかなりの勢いで上がり、ゴゴゴウという音がかすかに聞こえる。左側は鋸岳・平が岳の稜線。さて正面奥に聳える十勝岳ピークにはなお距離があり、頂上直下まではゆるい登りのプロムナードが続いている。左の雪渓、右の噴煙を見ながらダラダラした登りを淡々としのいで、いよいよ最後の登りに取り付く。

頂上直下の沢形と沢形の間の道を登り、そのあとは急斜面に設けられたコースサイン通りに足を運び順当に高度を上げ、右側の噴火口が見下ろせるようになって、通行禁止になっている前十勝コースを合わせ、さらに目の前のピークへ最後のひとふんばりをしのいで、十勝岳頂上にたどりついた。登頂のポーズ決めっ!北側は富良野・美瑛方面の大展望が広がり、稜線が美瑛岳・オプタテシケ山のほうへ続いている。霞みの果てに見える山はトムラウシなのであろうか。南側は噴火口のとなりに富良野岳方面に稜線が伸び、東側の十勝方面は緑の森や山々がどこまでも続いているかに見える。

昼食後に頂上を後にした。ザレの急斜面を慎重に下って、稜線を離れてからの急下降はバランスを取りながらやっとの思いで高度を削り、沢形の間を通ってプロムナード上の下りに戻った。コースサインが滑走路の誘導灯のようである。楽勝なゆるい下りをあっさりと通過し、再度ジグザグの急斜面の下りを勢いがつき過ぎないように対応し、十勝岳本峰のピークが見えなくなり、眼下の避難小屋がだんだん近くなって、急な下りをしのぎきって避難小屋に戻りついた。荷物を回収してなお下る。さえぎるもののない中の行動なのでかなりの暑さにへバリ気味ではあるが。

ほどなく幅広い道の下りとなり、石ころが入った靴の中を気にするうちにあっさりと望岳台に戻ってきた。暑くてたまらないので望岳台のレストハウスでラベンダーソフト(300円)を買い、紫のソフトにかぶりつく。そのあと冷水器の氷水を二杯飲んで、白金温泉への最後の下りにかかった。40分ほど暑いのを我慢して下り、白金温泉に戻りついた。美瑛町保養センターの温泉に漬かり生き返る。これで今回の目的は計画通り達成したので北海道をあわただしく後にする。16時53分のバスで美瑛に戻り、駅の反対側から出るふらのバスに乗り換えて旭川空港を目指す。

旭川空港でまたビールと鮭いくら丼で祝杯を挙げてから20時20分のJALで羽田へ向かう。炎天下の中歩いたせいか、飛行機の中や羽田からのリムジンバスでは眠って過ごした。

90 笠ヶ岳へ進む

登山記録へ戻る

ホームへ戻る