山紹介及びもっとも楽な登り方:
日本百名山の中で、選者である深田久弥の身びいきで入れられたと思われる、福井県の名峰。山容は形が良く、上にあがれば大野盆地が一望できるなど、山と里との境界にスックと立つまあまあの山ですが、登ってみるとブナの林などが印象に残る程度で、丹沢程度のレベルの山。もっとも楽な登り方は、越美北線の勝原からスキー場のゲレンデを上がって行く道。難易度2プラス。
登山記録 2004年10月31日(日) 所要時間:5時間45分 費用発生28,850円
前夜2310京王八王子=600京都738・・・858福井902・・・勝原1026−スキー場1040−1224シャクナゲ平1230−1313荒島岳1316−1344シャクナゲ平1354−1454みずごう−1510中出−1611越前大野1629=1728福井1816・・・米原1928・・・2126新横浜・・・2210橋本2215・・・2226多摩センター
100名山の残が20となり、今まで気になっていたが他の山に比べて魅力が乏しいと思って実行していなかった、奥越の名峰、荒島岳を急きょやろうと思った。ただ天候がはっきりしなかったので、前日の夜に福井地方の降水確率10%との予報を聞いてから段取りを始めた。1ヶ月に4座も登るのは金かかりすぎだと自分でも思っているが、11月を過ぎたら残りの山は降雪のためまずやれなくなる。因果な道楽をやっているなと思う。
越美北線の勝原を起点に登ろうと考えたが、越美北線の越前大野からさきは日に5本しか運行されないなかなかのローカル線区のため、プラン策定には苦心した。時刻表をいじくりまわしても日帰りでは登れないという結論が出るばかりだったが、何とか智恵を絞り、夜行日帰りで片付けるプランを練った。
京王八王子バスターミナル23時10分発の夜行高速バス「きょうと号」に乗りこむ。このバスは東海自然歩道ツアーのとき何回かお世話になっている。なぜ福井に行くのにいったん京都まで出ねばならぬのかとは思うが、これがもっとも安く上げられる手なので仕方がない。中央高速に入るとバスは消灯される。仕事疲れもあってたちまち眠りに落ちる。気がついたら高速を下りて京都市街に入っていた。三条京阪から夜明け前の京都の街を進み、午前6時すこし過ぎに京都駅に到着した。
次に乗るのは7時38分発の特急「サンダーバード1号」なので時間が有り余っている。駅構内スタンドできつねうどんの朝食。立ち食いだが、うどんのスープをすするとああ関西に来ているのだなと思う。そのあと1時間強の空白をヤングジャンプを読みながら埋め、特急に乗る。日曜日のせいかすいていた。山科から湖西線に進入する。左側には比叡のやまなみが連なり、右側は琵琶湖が見える。やがて湖北の山奥に入り、トンネルをいくつか抜けて敦賀を通過。長い北陸トンネルを通り、武生に停車。朝霧の中列車は進んで、足羽川を渡って福井に到着。
福井で越美北線のディーゼルカーに乗りかえる。越前花堂で本線から分岐して、ちょっと走って越前東郷。ここから先は今夏の福井豪雨で橋脚が流されて不通なので代行バスに乗る。バスは国道をしばらく走り、美山で再度ディーゼルカーに乗りかえる。ディーゼルカーは計石へゆるい勾配を登って行き、トンネルを抜けて大野盆地に入る。驚いたことに越前大野から客がどっと乗り、車内の席が埋まった。九頭竜湖の紅葉が見ごろなのだろうか。車中でサンドイッチの朝食をすませ、10時26分勝原(かどはら)着。
集落を抜けて国道へ上がり、行き交う車に気を付けながら歩き、スノーシェッドを抜けると勝原スキー場。ここからリフトの横につけられた急勾配のアスファルト道を登る。荒島岳は標高こそ1523mと低いが、勝原の標高が300そこそこのため、稼ぐべき高度は意外に大きい。大倉から塔の岳へ登るのに似ている。すぐに道は右に折れ、何回かターンを切りながらゲレンデの中を登ってゆく。石のゴロついた急斜面の道にあきるころ、リフト終点に到着。ここからは樹林帯の登山道である。オーバーユースとここ数日の雨のせいで滑りやすい登りを慎重に進む。
気分転換にクラシック音楽のMDをかけて進む。エクレスのソナタを聞きながら、ブナ林の中のそこそこの登りを耐える。道は緩くなったり急な階段になったりを繰り返しながら高度を上げ、目の前の稜線に向かって行く。高度1000を越え、ゆるいくだりと鞍部からの登り返しをはさみつつなお登り。眼前のシャクナゲ平とその南側の鞍部が近づき、12時半すこし前にシャクナゲ平に到着した。急な登りが多かったのでけっこう汗をかいた。ここからはモチガ壁の急登が控えているので、ザックを置いて空身で向かう。
鞍部へ下り、佐開コースを分けてしばらく登ると、モチガ壁の急登となった。木の根につかまりながらしんどい登りを進む。難所ではクサリやトラロープが張られていたが、使わずに済んだ。木の階段を2回上がってなお登ってゆくと、樹林帯を抜け見とおしのきく稜線に出た。笹原の中を進み、小さなピークを越えて急なのぼりで高度をかせぐといったパターンを2回くりかえすと荒島岳の頂上に出た。曇りのため遠くの展望はなかったが、大野盆地が一望できた。登頂のポーズ決めっ!
今日中に帰りたいので携帯電話で頂上の標識だけ写してさっさと戻りにかかる。尾根上の下りを経て、モチガ壁の急な下りをうまく下る。やはり空身は楽だ。鞍部からすこし登り返してシャクナゲ平に戻る。疲れたので小倉マーガリンロールとピーナツサンドとウインナ−ロールの行動食。このまま勝原へ下っても越美北線の列車は18時56分までないので、下山は越前大野に近い中出コースをとる。こちらのほうが歩く人は少ないので荒れた感じはしたが、ナチュラルな登山道らしい道で、下りも緩い。
ドスドスとブナ林の下りを経て、少し登り返して小荒島への分岐を通過。西面のトラバース道をゆっくり下ってそこからやや急な下り。ゆるい下りが随所に出てくるのでそこは飛ばした。高度を下げて荒れた林道を横切り、かぼそいトレイルをたどってゆくと、杉植林の林に出て、なおも下ると林道に出て、道なりに進んでゆくとみずごうの登山口に出た。ここからはダートの道そしてアスファルト道を下りのエネルギーを利して進み、三時過ぎに中出の集落に出た。
ここから越前大野まで歩く。下調べでは6kmそこそこなので1時間もあればたどり着けるとふんでいたし実際にもその通りであった。地図を頼りに八千代橋から真名川沿いののどかな道を歩き、大野市街に入って駅にたどり着いたのは16時過ぎであった。ここから本数の増える列車に乗っても良かったのだが、帰りはパターンを変えたかったので16時29分の福井行きバスに乗り、水害の跡を瞥見しながら福井へ出て、今庄そばを食べたあと18時16分の特急「しらさぎ62号」で米原に出て、新幹線で帰京した。ぱっとしない山だったが、けっこう疲れたためか新幹線の中では眠って過ごした。