72 早池峰 〜grand sword mix〜

2004年7月6日(火)行動時間5時間15分 費用発生29,700円

450聖蹟桜ヶ丘・・・分倍河原・・・府中本町501・・・武蔵浦和・・・大宮630・・・905新花巻935=河原の坊1042−小田越1112−1235鎖場−1255早池峰1330−1345鎖場−1448小田越1525−1557河原の坊1650=1800新花巻1841−2135大宮−武蔵浦和−府中本町−分倍河原2246−聖蹟桜ヶ丘2250

大宮発6時30分の盛岡行き「やまびこ41号」で北へ向かう。一昨日に月山で雪に焼けてきたばかりなのに、また旅に出る。こういうのを旅立ち依存症と言うのかどうかはわからないが。村上龍の文庫本を読んでいるうちに新幹線は北へ走る。宇都宮で多くの通勤客が下車。やがて関東平野が尽き列車は福島南部の丘陵地帯をいくつものトンネルで通過する。梅雨時なのだが、きょうも晴れて暑くなりそうである。文庫本を読み終わる頃、仙台に到着。どかっと客が降りるが、それ以上に通勤客が乗ってきて自由席は満席になった。が、大半が次の古川で降りてしまう。

岩手県に入り、新幹線は北上川流域を疾走し、9時5分新花巻着。JR釜石線との接続駅だが、街中から離れているので駅前はのどかな佇まいである。待合室で駅弁の朝食をすませ、9時35分発の河原の坊行きのバスに乗る。平日なので乗客は2人だけだったが、初老の運転士は早池峰の案内をしてくれる。小田越から早池峰までのコースタイム2時間30分は余裕があって、実際は2時間あれば楽に行けるとか、帰りのバスは16時50分なので早く下りすぎると何もないバス停で2時間くらい待ってしまうから頂上でゆっくりした方が良い等。

大迫から山間に入り、早池峰ダムの横を通って山ふかくに分け入っていって、岳の集落から道は林道みたいになってバスのエンジンがうなりをあげてみどりの森の中を突き進んで行く。ほどなく河原の坊着。花巻は晴れていたが、早池峰方面は雲がかかっていた。小田越までは林道歩き。沢の音、風の音を聞きながら高度をたんたんと上げて行って、30分ほどで大迫町と遠野市の境を通過し、駐車禁止の看板の立ち並ぶ中を進んで、ほどなく小田越の登山口に着いた。

木道を歩いた後、しばらくして少し湿った緩やかな登りを進み行く。この山、日本のエーデルワイスとしてそうとう人気があり、高山植物の見頃である7月の土日は盛岡から直通バスが運行され、岳から小田越までの道路はマイカー規制が敷かれるという上高地や白山並みの体制となっている。そんな混雑時に歩いたのでは疲れるからこの山を平日に回したのだが、中高年の団体に追いついた。後から聞いた話では90名で仙台から観光バス2台に分乗してやってきたとの事。邪魔にならないようにすり抜けたり、通して頂いたりしたが、それでも急峻な場所の前では立ち止まってしまいペースを少し乱された。

道は樹林帯を抜けて露岩の上をうまくステップをとって進んでゆくが、ここの岩は蛇紋岩なので滑りやすく油断ならない。やがてガラガラの斜面をジグザグ気味に高度を上げて行くのだが、このあたりから風が強くなってきた。ゴウゴウとうなる風が体を叩く。腰を落として一歩一歩慎重に、風と相撲を取るようにして前進するが、時折ビュゴウッ、と吹いてくる横殴りの風にはちょっとよろめく。これ以上強く吹いたら撤退しようかなともチラッと考えた。仙台からきた団体はこの風で足が止まっており、その横を慎重に通過して行く。烈風とのぶつかりげいこは続く。職場の上司に叱責査問されるのとどちらが怖いかなとも思ってしまう。

無我夢中で登り続け、高度がいつのまにか1800を越えた。ここで目の前の岩をハシゴでよじ登る箇所に出た。垂直でなく若干前に傾いているのでそんなに怖くはないが、集中しないといけない。気を紛らわせるために「相模湖、藤野、上野原・・・」と1段ごとに中央線の駅名を唱えながら登った。登り終わるとほどなく稜線に出て、剣が峰への分岐を過ぎて左に折れ、木道の上を進み、門馬コースと合流し、高山植物が点在する中をひと登りして、1時すこしまえに早池峰山頂にたどりついた。強風とガスで展望はきかなかったが、時折晴れ間がのぞき、小田越や薬師岳方面が望めた。奉納剣の立ち並ぶ頂上社前の三角点にタッチ。登頂のポーズ、決めっ!

風が厳しいので避難小屋に逃げ込み、パンの昼食。ひとしきり休んだ後、1時半に頂上をあとにした。河原の坊へ直接下りるコースもあるが、風が強いので往路をそのまま戻ることにする。稜線の木道を淡々と進み、おっかなびっくりハシゴを下って、そのあとはガラガラの下降となる。風がビョウビョウと我が身を叩くが、往路の時よりいくぶんましになっており、目標を達成した後なので、手荒い歓迎をしてくれるぐらいの感じであった。こういう所で転んでもつまらないので、ゆっくりと下る事を心がけた。下るにつれて風はおさまり、露岩帯から樹林帯に入り、三時前には小田越にもどりついた。

一休みしたあと、MDウォークマンを取りだし、KOTOKOさんを聴きながら河原の坊まで適当に歩いた。河原の坊の沢べりで1時間ほど休んでから、16時50分発の花巻行きバスで戻りにかかる。バスは山間からダム湖沿い、田園地帯を走って18時過ぎに新花巻に到着。駅ビルの食堂で夕食をすませ、18時41分発の「やまびこ68号」で東京へもどる。車内でまどろんだり、暇つぶし用の週刊現代を読みながら過ごした。宇都宮のあたりで腹が空いたのでパンの残りを食べた。今日は朝から大宮駅のベッカーズ、新花巻の駅弁、山頂避難小屋でパン、新花巻の食堂と食べてきたので粗食ながら1日5回の食事という記録が樹立された。

大宮着21時35分。ここから埼京線、武蔵野線、南武線、京王線を乗り継ぎ自宅には十一時過ぎにたどりついた。乗り換え続きで汗をかいたので早速風呂に入る。長かった一日が終わった。

73 五竜岳へ進む

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